暁 〜小説投稿サイト〜
転生とらぶる
マクロスF
0709話
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浮かべて小さく肩を竦める。

「あのね、あたしはシェリル・ノームなのよ? 果物の盛り合わせなんて環境艦ごと買える程度には稼いでいるわ。それにカイトスやダルフィムを助けてくれたでしょ? そのお礼もあるのよ」
「確かにあのシェリル・ノームがお見舞いに来ているってのは、報酬としては悪くないかもしれないけどな」
「そうよ。こんなサービス、滅多にしないんだからね」

 小さく笑みを浮かべているシェリルを見ながら、果物ナイフを近くの棚から取り出して林檎の皮を剥いていく。

「……意外ね、アクセルが果物の皮をそんなに綺麗に剥けるなんて」
「さすがにウサギの形に切ったりは出来ないが、この程度なら何とかな。ほら」

 皮を剥いて切ったリンゴを皿の上に乗せてフォークと共にシェリルの方へと差し出す。

「ありがと。……うん、美味しいわね。さすがあたしが買ってきたリンゴ」
「そこは、せめて俺が皮を剥いたリンゴって事にするんじゃないのか?」
「何よ、あたしが買ってきたのは事実でしょ?」

 小さく笑みを浮かべ、再びフォークでリンゴを口に運ぶ。

「ま、そういう事にしておくか。……で、肝心のカイトスやダルフィムについては何か分かったのか? あいにく俺はフロンティア船団に戻って来た途端に検査入院としてここに放り込まれたからな。その辺の情報はまだ聞いてないんだよ」
「……聞いたわよ。良くもまぁバジュラ艦の内部に突入するなんて真似をしたわね」
「……聞いた?」

 俺やアルトがバジュラ艦に突入したというのは、一応機密事項になってる筈なんだが……幾ら銀河の妖精だとは言っても、洩らす者がいるのか?
 そんな俺の疑問が顔に出たのだろう。シェリルが苦笑しながら口を開く。

「別にS.M.Sの人から聞いた訳じゃないわよ。グレイスっているでしょ? 彼女インプラントだから、ライブの休憩中にもリアルタイムでアクセル達の戦い振りをみてたのよ。……言っておくけど秘密よ? フロンティア船団じゃ基本的にインプラントは違法なんだから」

 グレイス、か。あの女を見るとざわつくこの感覚。俺の考えだと間違い無く何らかの意味で黒と出てるんだが……それを、ここでシェリルに言うか? 
 一瞬そう考えたが、すぐに却下する。こうして見る限りでもシェリルがグレイスに対して並々ならぬ信頼を抱いているのは事実だ。それを考えると、ここでグレイスが何かを企んでいるとか言ったとしてもまともに信じて貰える筈も無いだろう。今はとにかく黙っておく方が吉……だな。

「アクセル? 急に黙り込んでどうかした?」
「いや、何でも無い。それでギャラクシーから逃げてきた艦の乗員から話は聞けたのか?」
「駄目ね。ま、しょうがないわよ。アクセルもそうだけど、バジュラと接触した人達だから検疫が済むま
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