マクロスF
0709話
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院なんだから、もっと美味いものを出してくれてもいいと思わないか?」
溜息を吐きながらアルトがそう言った時、丁度アルトの携帯が音を鳴らして着信を知らせる。
「っと、悪い」
「別にいいさ。気にするな」
携帯に出ながら部屋を出て行くアルトを見送り、そのベッドの上に転がっている雑誌へと手に取る。
検査入院がこれ程暇だったとは思わなかったな。一応俺がこの世界に転移してきた時も同じような事をやっているが、あの時は寝ている時にオズマから必要最低限の検査はして貰っていたからな。それを考えれば、最初から最後まできちんと検査をするのはこれが初めてって事になるか。
アルトが同部屋って事もあって、空間倉庫から適当に何かを出す訳にもいかないし……売店で漫画雑誌でも買ってくるか?
『お、おい! 何でお前がここにいるんだよ!?』
そんな風に考えていると、廊下から突然アルトの困惑したような声が聞こえて来る。
いや、困惑というか驚きか?
『あら? 貴方確か退避壕の時にランカちゃんと一緒にいた……そう、貴方もS.M.Sに入社したのね』
『は? ランカ? おい、ランカ。こいつに俺の事を何か言ったのか?』
そんな困惑の声のアルトに言葉を返したのは、こちらもまた聞き覚えのある声だった。
というか、あの電話はランカからだったんだな。2人の付き合いがどういうものなのかは分からないが、オズマ辺りに知られないといいけど。そんな風に、本来この場所にいる筈じゃない人物の声を聞いて現実逃避をしていた俺だったが、その現実は俺に対して逃避を許してはくれなかった。
病室の扉が開き、そこから見覚えのある人物が入って来たのだ。
「アクセル、無事ね?」
若干勢い込んで入って来たその人物は、ストロベリーブロンドの髪を大きめの帽子で隠し、生気に満ちた目をサングラスで隠している。
そんな状態でも分かる、いつもの強気な表情とは裏腹などこか焦っているかのような表情。ちなみに、アルトは扉から顔を覗かせると、すぐに携帯で話したままヒラヒラと手を振ったまま離れていくのだった。
「ああ、お前から借りた幸運のお守りのおかげでな」
ベッドの上で寝転がりながら、アルトに借りた雑誌を軽く上げて銀河の妖精と称される歌手に挨拶をする。
そんな俺の様子を見て安堵の息を吐いたシェリルが、手に持っていた果物の盛り合わせが入った籠を俺へと渡してきた。
「いいのか? 結構高いだろうに」
閉鎖系バイオプラントを採用しているフロンティア船団では、基本的に環境艦が農作物や動物を育てている。その為、当然値段はそれなりに高価になり、自然物の類は俺の感覚で言うとブランドものの肉やら野菜やら果物やらといった物と同じ感じだ。
だが、シェリルは口元に笑みを
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