第百八十三話 第6次イゼルローン要塞攻防戦 前哨戦1
[2/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
た顔で一括する事にした。
「狼狽えるな、我等には殿下が着いていらっしゃるのだ、我等が慌ててどうするか」
その言葉に、喧噪に包まれていた司令室に静寂が訪れ、皆が落ち着いた表情をし始める。
「閣下、殿下には直ぐさま御避難して頂きませんと」
グライフスが真剣な表情でテレーゼの避難を勧める。
一応殿下から避難しないとの話は聞いているが、形だけでも避難を勧めることをする事で話し合いが出来ていたために殿下の元へと向かう話をしている最中、司令室にケスラー大将を引き連れたテレーゼが入室してきた。
「敵襲なのじゃな、ほんに折角捕虜を帰してやったと言うのに、又ぞろ捕虜に成りに来るとは、叛乱軍の指揮官はマゾなのかの?」
コンサート会場からそのまま来たのか、普段と違いライブ衣装のままではあったが、何時ものように扇で口元を隠しながら同盟軍に皮肉を言うテレーゼに皆が目を見張る。
直ぐさま宇宙艦隊司令長官エッシェンバッハ元帥、宇宙艦隊総参謀長グライフス大将、要塞艦隊司令官ゼークト大将、要塞司令官シュトクハウゼン大将達が、テレーゼの前で跪き頭を垂れる。
「殿下の行幸にも係わらず、叛乱軍の攻撃を察知できずに殿下の御身を危険に晒すなど、万死に値する行為、如何様な御処分も受ける次第でありますが、部下達には何とぞ寛大なご処置をお願い致します」
代表してエッシェンバッハが慈悲を請うが、この事自体、テレーゼ、エッシェンバッハ、ケスラーの三人は演技をしているのであるが、他の皆は皆知らずに固唾を飲んで推移を見守る。
その姿を見てテレーゼは真剣な表情で四人を含めた全員に聞こえるように優しく語りかける。
「卿ら気にするではない、卿らのせいではない。どうやら黒狐めが暗躍したようじゃな」
「殿下……」
今回の件はテレーゼ達の悪巧みであり、黒狐は精々踊らされただけで全然悪くないのであるが、テレーゼは敢えてルビンスキーとフェザーンのせいにしておく。
テレーゼの言葉に、常日頃のフェザーンの態度を知っている者達は全く疑問も持たずにフェザーンとルビンスキーに対する怒り燃やす。
その熱気が冷めやらぬ内にエッシェンバッハがテレーゼに避難を勧める。
「殿下、敵は5万隻を越えます。直ぐさま御避難を」
エッシェンバッハ渾身の演技にテレーゼは笑いそうに成りながらも、拒否の姿勢を見せる。
「司令長官、それは成らぬ。帝国の為に戦う卿らを捨てて妾だけが逃げる事が出来ようか。妾は卿らの事を信じておる。卿らに妾の命を預けようぞ」
司令室でも、知ってはいるがエッシェンバッハ以下、全員が感動に震えが止まらずに居たのである。
「御意、殿下の御心確と胸に刻み込みました。必ずやあの恥知らずな叛徒共に裁きの鉄槌を与え、殿下に捧げます」
エッシェンバッハが述べると司令部全
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ