空白期 第10話 「出会う少女達」
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春休みも残り数日となった今日、私はフェイトちゃんとはやてちゃんと一緒にトレーニングを行うためにアースラを訪れている。ただ時間がお昼前だったこともあって食事をしてからトレーニングを行うことになった。
「……あれ?」
料理をもらって座る場所を探していると、とある一角が目に付いた。そこには私達と同じくらいの黒髪の少年が食事を取っている。
あれって……ショウくんだよね。
ショウくんとはこの前の事件が終わってからというものアースラで会うことは少ない。食事をしているところに関しては初めてだと言ってもいい。だからといって気まずいわけではないのだけれど。
相席する、とフェイトちゃん達に視線で問いかけると肯定の意思表示が返ってきた。私達が近づいて行くと、ショウくんもこちらに気が付いたようで視線をこちらに向けた。
「座ってもいいかな?」
「別にいいけど」
ショウくんの返事を聞いた私達は、彼の向かい側の席に並んで座った。はやてちゃんは彼の隣に座るかと思ったけど、食事をしながら話す場合は向かい合った状態の方が話しやすいのかもしれない。
「ショウがアースラで食事なんて珍しいね。これから用事でもあるの?」
「いや、用事はもう終わったよ」
「どんな用事やったん?」
「シグナムと模擬戦」
ふたりが度々剣を交えているというのは耳に入っているので嘘ではないだろう。
模擬戦かぁ……フェイトちゃんとかとはたまにするけど、ショウくんとは一度もやったことないんだよね。ショウくんって魔導師だけどシグナムさん達に近い戦い方もしてるし、魔法の勉強のために一度戦ってみたいかな。
「……ねぇショウくん」
「遠慮するよ」
「え、まだ何も言ってないよ!?」
「模擬戦しよう、とでも言おうとしたんじゃないの?」
その言葉に私は驚き、感情が表情に出ていたのではないかと顔を両手で触った。そんな私をショウくんは呆れた顔で眺め、一度ため息を吐いてから再び口を動かす。
「顔には何も書いてないよ。当てられたのは君の言動は予想しやすいから」
「なあショウくん、フォローのつもりなんかもしれんけどフォローになってへんよ。言うならせめて素直な性格しとるとかにするべきや」
「はやて、注意してるつもりなんだろうけど逆に追い討ちかけてる気が……」
はやてちゃんが「あっ……」と声を漏らすと、ゆっくりと私のほうに顔を向けた。申し訳なさそうな顔をしている彼女に文句を言う意欲が湧かなかった私は気にしてないよと伝えた。しかし、元凶とも言えるショウくんには思うところがある。
大分自然に話してくれるようになったけど……相変わらずいじわるだよね。気を許してくれていると思えば我慢できなくはないけど、何か私だけされてる気がする。私、別にショウくんに何もして
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