暁 〜小説投稿サイト〜
美しき異形達
第十八話 姉妹の力その十二
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
「先輩にも言ってくれよ」
「いえ、それはね」
「遠慮するわ」
 鈴蘭も黒蘭もすぐにだった、薊に答えたのだった。
「あくまで私達は二人よ」
「二人で充分だから」
「折角の申し出だけれど」
「いいわ」
「そうか、まあそう言うと思ったよ」
 薊も二人がそう答えるとわかっていた、それでだった。
 この話を止めてだ、こう言ったのだった。
「じゃあ今度はな」
「今度は?」
「寮に来てくれよ」
 自分達の場所にというのだ。
「お茶とかお菓子は出せるからさ」
「それにお風呂もいいから」
 裕香はこちらを出した。
「ゆっくり楽しんでね」
「中々面白い場所だからな」
「そうなのね、それではね」
「機会があれば」 
 鈴蘭と黒蘭も二人のその申し出には素直に応えた、だが黒蘭はその中でこうしたことも言ったのだった。
「漫画もあるかしら」
「ああ、漫画な」
「それはあるのかしら」
「娯楽室に一杯あるぜ」
「それにそれぞれのお部屋にね」
 二人共こう答えた。
「ライトノベルとかも多いしな」
「読む分には困らないわよ」
「ライトノベルもなのね、それもなのね」
 黒蘭はライトノベルもあると聴いてさらに喜びを見せた。
「わかったわ、それではね」
「来てくれるかい?今度」
「機会を見てね」
 こう話してだ、そうしてだった。
 四人はここからは談笑をした、それが終わってからだった。
 いい時間になってだ、薊と裕香は姉妹がいるマンションを後にした。姉妹は二人をマンションの出口まで案内した。
 そのうえで別れようとする、だが。
 ここでだ、薊と姉妹がだった。瞬時に鋭い目になった。
 そしてまずは薊がだ、顔を右にやって言った。
「出て来たらどうだよ」
「おや、わかったか」
「あからさま過ぎるだろ」
 その気配がだというのだ。
「すぐにわかったよ」
「そうか、ではな」 
 薊に応える形で怪人が出て来た、今度の怪人の身体の色は黒だった。
 その頭は牛、雄牛のものだった。漆黒の毛に覆われた身体に頭には二本の大きな角がある。黒蘭はその怪人を見て言った。
「ミノタウロスみたいね」
「そう言うか」
「牛と人間の合いの子の怪人ね」
「その通りだ」
 まさに、とだ。怪人も答える。
「俺は牛、それも水牛と人間の怪人だ」
「そうね」
「俺が出て来た理由はわかるな」
「私達に倒されに来たのね」
「違うな、御前達を倒しに来たのだ」
 その逆だ、というのだ。黒蘭が言っていることとは。
「俺はな」
「そうなのね、では」
「待って」
 黒蘭が出ようとしたところでだ、ここでだった。
 鈴蘭が出て来てだ、こう彼女に言った。無論薊にも。
「ここは私に任せて」
「姉さんが戦うのね」
「この前は黒蘭ちゃんが戦
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ