第十八話 姉妹の力その七
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「マンションってのはな」
「ちょっと予想してなかった?」
「他の娘って皆一軒家だったからな」
力の持ち主は、というのだ。
「だからな」
「マンションっていうのは」
「予想してなかったな」
薊はマンションのすぐ下で上を見上げながら述べた。
「まあけれどな」
「普通に有り得ることよね」
「だよな。マンションだってな」
「そう、だからね」
「普通にお邪魔してな」
「会いましょう、あの娘達と」
「今からな」
こう話してだ、そしてだった。
二人はマンションの中に入った、だがここで。
薊は裕香にだ、こうも言った。
「そういえば何階の何号室だったかな」
「三階の三号室でしょ」
「そこか」
「というか薊ちゃん聞いてなかった?」
「いや、聞いてたかどうか」
そう言われてもという口調だった、今の薊は。
「覚えてないよ」
「仕方ないわね、とにかくね」
「三階の三号室だな」
「そう、そこよ」
そこに行けばというのだ。
「そこだからね」
「行こうか、じゃあな」
「そうしましょう」
こう話してだ、そしてだった。
薊と裕香は鈴蘭達の部屋に行った。そうしてだった。
その部屋の扉の前に来た、そこまでの廊下もマンションの様子も他のマンションと変わらない普通のものだ。そのマンションの中を進んだのだ。
三階の三号室の前に来てだ、家のチャイムを鳴らすと。
まずは黒蘭が出て来た、だが今の鈴蘭はというと。
眼鏡をかけている、そして全体的に野暮ったい感じだ。黒のジーンズも上着もよれよれである。その格好で出て来てだった。
二人を見てだ、こう言った。
「ああ。そういえば姉さんが貴女達を呼んでたわね」
「ああ、そうだよ」
「お客さんとして呼ばれたの」
「わかったわ。じゃあお茶を淹れるわね」
黒蘭は特に敵対的なものを見せずに薊達に言った。
「あがって。散らかってるけれどいいわね」
「何か普通だな」
「普通で当然よ」
黒蘭は何でもないといった調子で薊達に言う。
「私達も普段は貴女達と一緒だから」
「まあそうだよな」
「そう、だからね」
家に上がってというのだ。
「お茶を飲みながらお話しましょう」
「悪いな、じゃあな」
「姉さんにも言われたと思うけれどお茶位遠慮することはないわ」
全く、というのだ。
「それは貴女達もよね」
「まあな。お茶位はな」
薊もそう言われるとだった。
「別にいいさ」
「そうよね。それではね」
「お邪魔させてもらうな」
「どうぞ」
黒蘭は笑顔ではないがそれでもだった、友好的な対応でだった。
薊と裕香を家の中に入れた、するとそこは。
ごく普通のマンションだった、とはいってもどちらかというと高級な部類の。少なくとも二人だけだと
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