第四幕その四
[8]前話 [2]次話
「松山の名物の一つでもあります」
「このバスもですか」
「そうなのです、マドンナバスに乗って」
「それで、ですね」
「坊ちゃんの様にです」
「天ぷらそばを食べるのですね」
「そうしましょう、それでは」
「はい、それでは」
こうお話してでした、まずはそのバスに乗ったのでした。
こうしてバスでの小旅行の後で、です。ある古風な趣のある蕎麦屋さんに入ってです。先生達が頼んだものは。
「てんぷらそばを」
「おかわりもですね」
「はい、後でします」
加藤さんが笑顔でお店の人に答えます。
「そうさせてもらいます」
「三杯ですね」
「食べさせてもらいます」
「坊ちゃんですね」
笑顔でこう言ったのでした、お店の人も。
「では」
「はい、それでは」
こうお話してでした、先生達はいよいよその天ぷらそばも食べるのでした。その坊ちゃんが食べた天ぷらそばもです。
食べるのでした、まずはです。
「一杯目ですね」
「はい」
そしてなのでした。
「次ですね」
「そうです、二杯目です」
「それからですよね」
「三杯食べてです」
それでこそ、というのです。
「坊ちゃんです」
「そういうことですね」
「そうです、ただ」
「ただ?」
「実は当時と今では」
ここで加藤さんはこう先生に言うのでした。
「違うものがありまして」
「あっ、そうですね」
すぐにです、先生も加藤さんのお話したいことがわかりました、それは何かといいますと。
「当時の日本人と今の日本人では」
「体格が違いまして」
「坊ちゃんもですね」
彼にしてもなのです。
「今の日本人と比べると」
「小柄です」
そうなるというのです。
「おそらくですが」
「その辺りは食生活でしたね」
「そうです、それが影響しますので」
「確か。江戸時代末期ですが」
明治時代よりは前ですが、というのです。
「日本人の平均身長は一五四位でしたね」
「小さいですよね、今の我々から見れば」
「はい、その坊ちゃんの三杯とですね」
「我々の三杯は」
「また違いますね」
「そうです、今一五四位ですと」
「日本人でも」
「子供ですね」
それ位の大きさでしかないのです。
「それ位ですと」
「そうなのですね」
「日本人も大きくなりました」
「そう、そのことですが」
ここで先生が言うことはといいますと。
「大学でも学生さん達の中には」
「先生よりもですね」
「大きい人がいます」
「先生は背は高いですが」
見れば先生は加藤さんから見ても結構な高さです、一八〇はあります。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ