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ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
神意の休息篇
29.宴後の一時
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「その代わりその分働いてもらうぞ。厄介な奴が逃げ延びちまったみてえだからな」
「はい。頑張ります!」
無邪気な笑みを浮かべる少女。
監獄結界から脱獄囚が二名逃走した。一人が絃神冥賀だ。こいつも曲者だがもう一人の方が気がかりだった。
ローブを纏った魔導師。こいつをあそこで仕留めておくべきだったと少年は小さく舌打ちをした。
「シュトラ・Dみたいなカスを相手にしてたのが間違いだったな」
「でも、立上さんのおかげでシュトラ・Dをもう一度監獄結界に戻せたんですよね? それならいいじゃないですか」
それに、と少女は言葉をつなぐように声をわずかに落とした。
「“
神意の暁
(
オリスブラッド
)
”があそこまであっさりやられたところを見てしまうと……あの人の強さがホンモノってことですよね」
少年はわずかに口角を吊り上げて笑う。
「それでこそ俺の敵に相応しい」
空を彩る無数の大輪が爆音を奏でる。
静かに終わりを告げた宴には少しだけ華やかすぎる気もする。
だからこそ……
「それじゃあ、始めるとしようか。神々が集いし、人ならざる者たちの祭典を!」
打ち上げられた最後の花火が新たなる宴の開幕の合図となった。
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