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ソードアート・オンライン ーBind Heartー
食べてしゃべって飛び跳ねて
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見ていたアスナだったが、テーブルを乗り出して俺に耳打ちしてきた。
「どうする? わたしは構わないけど……」
そう言われると、俺としても困る。
この状況から思考を張り巡らせれば、確かにトーヤには手練れの護衛付きでレベリングができるというメリットはある。
仮に護衛といっても確実ではない上にたった二人しかいないのだ。しかも、潜るのは前人未到の最前線故に、なにが起こるかは誰にもわからない。
そこから考えるに、自分から死地に飛び込んで行くというデメリットの方が多いだろう。
それなら、疑う余地は格段に少なくなっていた。
「……まあ、後衛でおとなしくしてるっていうなら、別にいいだろ。ただし、余計なことはするなよ」
適当にそう言ってやった瞬間、うつむいていたトーヤの顔がいきなりがばっ! と勢いよくあげられる。
その瞳は、さっきの倍の輝きをはなっているようにも見えた。
「やったー! ありがとうございます! 精一杯、頑張ります!」
「いや、後ろにいるだけでいいって……」
俺の言葉を聞き終わることもなく、椅子から立ち上がったかと思えばその場でくるくる回り出す。
その奇天烈で過剰すぎる感情表現に、流石にアスナも呆然としていた。
その怪訝そうにして、また俺に耳打ちしてくる。
「なんか、変わったヒトね……。本当に大丈夫かしら?」
「大丈夫、だと思う……多分。まあ、そうじゃなくても……守ってみせるさ。絶対に……」
そうだ。今度こそ、必ず守ってみせる。
あの時と同じようなことは、絶対に繰り返させたりしない。
「キリト君……?」
気付けば、アスナがさっきまでとは違う心配そうな面持ちで俺の顔を覗き込んでいた。
どうやら、自分でも知らないうちに険しい顔をしていたようだ。
それと同時に、彼女との顔の距離が目と鼻の先ほどにまで接近していたことを、今更ながら思い出して、俺は慌てて身を引いた。
「い、いや。なんでもない。それより、明日の予定だけど……明日朝九時、七十四層のゲートで待ってる」
ハテナを浮かべたような表情をしつつも、アスナは確実に頷いて見せた。
視界の端で、トーヤがこちらを振り向いて意味ありげな笑みを浮かべたのは、後に残る俺の疑問だ。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
一人暮らしの女性の部屋にいったい何時までお邪魔していいものなのかさっぱりわからない俺は、食事が終わるや、トーヤを引っ張ってそそくさといとまを告げた。建物の階段を降りたところまで見送ってくれたアスナが、ほんの少し頭を動かして言った。
「今日は……まあ、お礼をいっておくわ。ご馳走様」
「こ、こっちこそ。また頼む……と言いたいけ
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