5章 親友
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のだった。
口喧嘩もしたし、ほとんど、交流のない時期もあったが、
いまでは、何でも話し合える無二の親友であった。
真央は、けっして、わたしのようには家庭環境も恵まれていないのに・・・。
真央のお父さんは、この不景気で、現在、失業中なのに。
そのぶん、真央のお母さんは、がんばって、働いている・・・。
そんな真央は、一生懸命、
アルバイトもしながら、大学に通っている。
わたしが、誘えば、こうして、よろこんで来てくれている・・・。
真央と一緒にいると、たとえ、困難な境遇の中でも、
わたしたちには、不可能なことなど、何もなくて、
なんでも達成可能なような、そんな勇気や元気が
湧いてくるんだから。不思議よね、この人って。
忙しさの合間にも、真央は、ちゃんと、
かわいらしいピンクのネイルアートもしているのよね・・・。
そんな真央の、女性らしさっていうか、
優しさというか、強さみたいなのが、きっと、
わたし以上に、男の子に好かれる理由なのかしら・・・。
美樹は、テーブル越しの、真央の、
いつも明るい瞳を見つめながら、
親友っていいものだなぁ・・・と、
しみじみしたとありがたさを感じていた。
「しんちゃんは、ドッグ・ハムチーズセットを食べたいって。
わたしたちも何か買っていって、みんなで食べようね」と美樹がいった。
「うん。じゃあ、早く、しんちゃんちに、行ってあげようよ。
きっと、お腹すかしているわよ」
真央はそういうと、長い黒い髪が揺れた。
美樹と真央は、ほほえんだ。
川口信也は、この10月7日に、大学の親友、森川純の父親、
森川誠が経営する株式会社モリカワに就職したばかりであった。
そのため、山梨県から、世田谷区代沢2丁目のマンションに越してきた。
部屋が2つと、ダイニングとキッチンがある、2DKだった。
そのマンションは、池の上駅の南側、
駅から歩いて5分ほど。下北沢駅までは8分ほどの位置だった。
≪つづく≫
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