第三十一話 スガタの姿
[2/2]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
ストライクアウトォ!」
流石に帝東の三番、いつまでも驚いておらず3球目はバットを出すが、そのバットの上を“光線”は通過していった。クールな姿が投じる、火の玉ストレートとはこれいかに。
(南十字シニア……唐突に人数不足や旅費不足で辞退するけど、何回かあった大会では無敗。そのエースが新道姿。……更にできるようになったわね。)
帝東ベンチでは、これまたクールなはずの楠堂が武者震いしていた。
(試合を支配し……流れをこちらに引き寄せる……それがマウンドに立つ者……王の力だ……)
姿は無表情の中に気迫を滾らせ、8点差のゲームで熱投を見せる。
「ストライクアウトォ!」
「ストライクアウトォ!」
三者連続三振。帝東のクリーンアップを完全に抑え込み、姿はマウンドを颯爽と降りる。
「こりゃあすげぇ隠し球だなぁ、おい!」
「なんだよ、まだサザンクロスはこんなピッチャー持ってやがったのか!」
観客席はその圧倒的ピッチングに大喝采を送る。
帝東応援団はどよめきをもって、得体の知れない一年生投手の登場に応える。
「姿先輩、参りました。すんませんっした。何で俺がリリーフじゃないんだって、一瞬でも思って、誠にすいませんっした。」
「ちょっと、権城さん、卑屈にならないで下さい」
南十字学園のブルペンでは、権城が何度も何度も土下座して、タイガーを困らせていた。
「何が150キロよ、アタシの方が、打ちにくさは上なんだから。」
帝東の飛鳥が、姿に刺激をビンビン受けてマウンドに上がる。攻撃陣は8点とって気楽でも、飛鳥にとってはまだ試合は始まったばかり。姿の投球に呆れ返っている先輩をバックに、1人燃えていた。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ