暁 〜小説投稿サイト〜
転生とらぶる
マクロスF
0708話
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そっ、しょうがない!』

 バジュラの胴体へとアサルトナイフを突き刺し、そのまま勢いよく斬り裂いた動きの流れのままに所属不明のVF目掛けてビーム砲を連射し、牽制しつつ背後へと一瞬だけ視線を向ける。するとそこではガンポッドでルカの機体を絡め取っている根を破壊しているアルト機の姿があった。
 シェリルの歌を聴きながらの戦闘、ある意味ではマクロス世界っぽいと言えばそれらしいのだろうが、今はそれどころではなかった。
 こちらへと襲い掛かって来るバジュラの迎撃、隙あらば俺やアルト機に攻撃を加えようとしている所属不明のVFへの牽制、こちらを無視してアルト機へと突撃していこうとしているバジュラの処理。その3つを同時にこなしながらも、ついでとばかりに所属不明VFのデータを可能な限り取る。
 このデータ取りに関しては、VF-25の上位機種であるS型であるからこそ処理出来た事だろう。
 そんな状態の、ある意味で均衡とも呼べる時間が数十秒程続き……

『アクセル、こっちは何とか……うおっ!』

 アルトの通信が聞こえた瞬間、こっちのビーム砲での牽制を無視して持っていたガンポッドをアルト機へと向かって放つ所属不明機。そのまま更に追撃を加えようとして……

「させるかよっ!」

 こちらに突っ込んで来た雑魚バジュラを左手で握ったピンポイントバリアで覆ったアサルトナイフで刺し、右手のガンポッドと背負ったビーム砲を発射。所属不明機の右足に命中してバランスを崩し……次の瞬間には瞬時にファイターへと変形して何故か開いたバジュラ艦……いや、最初に出て来た時のビームを撃つつもりか!? くそっ、とにかくこの場所にいる訳にはっ!
 そんな俺の一瞬の隙を付き、強引に変形した所属不明機はさっさと展開したバジュラ艦の中から逃げ出していく。右足を破壊されて、よく変形を……いや、今はそれどころじゃない。
 咄嗟に漂っている所属不明機の右足を掴み、アルトへと通信。

「アルト、行くぞ!」
『ああ、分かってる!』

 アルトも短く返事をし、ルカ機を捕まえたままバジュラ艦を脱出し……次の瞬間にはマクロス・クォーターが人型へと変形して突っ込んで来て、大きく開いたバジュラ艦の口にマクロスキャノンを突き入れる。そしてビームが発射される前にマクロスキャノンが放たれ……次の瞬間、バジュラ艦は内部から爆散して、宇宙空間にその残骸を散らばらせる。
 同時に、まるでそれが合図であったかのようにバジュラは撤退を開始し、俺達は何とか初期の目標であるカイトスとダルフィムという2隻の戦艦の救助に成功するのだった。
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