マクロスF
0708話
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これは?
ファイターのままバレルロール回転で前方の赤いバジュラのビームを回避しつつ、ビーム砲でバジュラを撃ちぬきながら微かな疑問を抱く。
通信? いや、違う。通信から聞こえて来るのはS.M.Sの戦況報告や指示のみであり、マクロス7のバサラみたいに歌を流しているような奴はいない。なら、どこから……前方に立ち塞がりかけていた雑魚バジュラをガンポッドで撃破し、ふと視線がコックピットの隅に引っかけられている存在に気が付く。シェリルの母親の形見、幸運のお守り……これから聞こえてきている?
一瞬疑問に思うが、そのイヤリングの……特に宝石の部分に当たる場所から歌が聞こえてきているのは間違い無い。ただし、その歌が聞こえているのは俺の機体内部のみで、通信機を通して他の機体には聞こえていないらしい。
しかも当然の如く聞こえて来る歌はシェリルの歌……いや、他の人物の歌も混ざっている?
くそっ、今はこのイヤリングについては後回しだ。とにかく、早いところルカの救出を……見えたっ!
「アルト! 攻撃を合わせろ!」
『了解!』
歌の件については今は置いておき、前に立ち塞がるバジュラの壁とでも呼べる空間を抜き、最終的にはバジュラ艦の内側に入り込む事に成功する。同時に放たれる俺のビーム砲とアルト機のガンポッド。その着弾箇所が殆ど1ヶ所に集中し……次の瞬間、バジュラ艦の装甲が爆発、内部への道を切り開く事に成功する。
「行くぞ、続け!」
一瞬内部への突入を躊躇したアルト機を追い越すようにバジュラ艦の内部へと突入する。その内部は戦艦というよりはどこか生き物じみており、純粋に機械の戦艦という訳では無く、どちらかと言えばバジュラのような生体兵器に近い存在であるのは明らかだった。
『分かってるよ!』
一瞬自分が躊躇したのが許せなかったのか、アルトは強い口調でそう告げると俺のすぐ後から突入してくる。
『おい、これは……』
「取りあえずデータを取れるだけ取りながらルカを探すぞ」
生き物……というよりは、植物か何かで出来ているような感じか? とにかく、物陰になっている場所でバトロイドへと変形して一旦アルトとの通信を繋げる。
お互いが手にはガンポッドを持ち、いつでも放てるようにしながら音響データ等を使って艦内のデータを収集、通路の様子を調べていく。
「……よし、大まかな内部構造の把握は完了した。アルト、そっちにデータを送るぞ」
『は? もうかよ? こっちはまだ7割程度だぞ?』
「S型はある意味で通常型の上位機種みたいなものだからな。積んでいるコンピュータもより性能が高いんだよ」
特に俺が乗っているS型は、俺の反応速度に対応出来るように、シミュレーターで取ったデータを基にしてかなりチューンされているしな。
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