冒険者
戦いの後
[1/3]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「綺麗・・・」
窓の外に降り続く雪は戦闘の痕跡を消しいつも通りの風景へと戻していく。
ケレニスの仕業であったのであろうデーモンの封印への抵抗は減り、アイスクイーンの協力が無くとも大丈夫だという報告はあがっていたが、この地に住む人々の生活を戻さないとならない。
他にも考えることは有り余るほど有り殆ど眠れなかった。
ナターシャは先程まで悩まされた現状を忘れるくらい目を奪われていた。
それは仮初めの平和にしか過ぎず直ぐに終わりを告げた。
コンコン
ノックの音に現実へと引き戻されたナターシャはドアへ向かって入るようにと声をかける。
「失礼します」
とキャスタが姿を表しメンバーが揃ったことを伝える。
「タラス様がお見えになりました。御支度をお願いします」
キャスタにタラスの来訪を聞いたナターシャはレジスタンスのリーダーが集まる場所に向け歩みを進める。
キャスタがナターシャを護るように歩み部屋の扉を開けるとリーダー達とタラスが立ち上がり挨拶を済ます。
挨拶もそこそこにナターシャは本題を切り出す。
「国の支援はどうなりました?」
象牙の塔の村は建物自体の被害はほとんどなかったものの未だに徘徊しているゾンビ兵達から村を守るため村壁の強化が必要なのである。
「この件に関しては一切支援無しという返答でした。アデンの担当行政官も上申してくれましたが。まぁ、動いていた人物がラウヘルの片腕でしたので当然と言えば当然でしょうな。」
初めから期待していなかったナターシャは頷くと続きを促した。
タラスがそれだけで済ませてるとは思えないのだ。
「しかし各地の商人から資金や資材の援助を受けることができました。詳細はこちらに」
と、タラスは紙を差し出しナターシャへ読むように促す。
そこには通常では考えられないような額のお金と、土木に詳しい訳ではないが素人目に見ても村を2周囲えるのではないかと思われるような資材の数が書かれていた。
これを見れば象牙の塔という場所が商人にとっても重要であるのがわかるだろう。
商店で販売している魔法のスクロールや便箋、杖等様々な魔法商品の殆どが象牙の塔で加工されたり造られたりしている。
現在その供給が止まっており一刻も早く納品してほしい商人達が援助を申し出たのだ。
「有難い申し出です。お礼を申し上げたいのですがまだ私が出る訳には参りません。代わってお礼をお願いします」
タラスの報告が終わり次は各地のリーダーからの報告が始まる。
グオルグからはシルバーナイトタウンの動向が報告された。
ブラックナイトの動きが活発になり何やら企んでいるようだということでゲラドを中心に調査中とのことだ。
続いてダンガスの報告が始まった。
「各地での伝説級モンスタ
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ