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失われし記憶、追憶の日々【ロザリオとバンパイア編】
原作開始【第一巻相当】
IF・U「可能性の未来」
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方はこれからこの面白いんだか面白くないんだかよくわからない微妙な空間で一生を過ごすのです」
「なに……?」
「これから貴方は剣と魔法の世界に召還されて魔王をぬっ殺したり、ソードでアートな世界でハニワを率いてデスゲームから生還したり、ハイなスクールの世界で無限龍をメロメロにしたり、織田家の野望でノブノブを召使にしたりとやることがてんこ盛りです!」
「なにを言ってるんだ、あんたは……」
ずずいと顔を寄せてくるオッサン。近い離れろ! うぉ、加齢臭がする……!
「いいですか、読者は貴方の一挙一足に注目しています。今や貴方は彼らの操り人形。月下な美人さんは血反吐を吐いて――」
「おい止めろ!」
なにか危険な言葉を発しそうな予感がしたので思いっきりビンタを一発。
「ぶべらっ」
……首がもげた。
スプラッターな光景に唖然としていると、空間にノイズが走る。
そして、俺の意識もどんどん落ちていって――。
† † †
「千夜? 大丈夫ですか、千夜?」
「うぅ……ハクか」
ぼんやりした頭のまま身体を起こす。
場所は――どうやら自室のようだ。
人化したハクは心配そうな顔でベッドに手をつき俺の顔を見上げてくる。
「うなされてましたが、大丈夫ですか?」
「なんだか、よくわからない夢を見た気がする……」
とても幸せな夢と、最悪の悪夢を。
「……まあ、所詮夢は夢か」
とりあえずもう一眠りしよう。出勤までまだ四時間はあるのだから。
「――? 千夜?」
ハクを抱き寄せてそのままベッドにもぐりこむ。
いつもは別々のベッドに寝るため、不思議そうに首を傾げていた。
「まあ、たまには……な」
「……はいっ」
嬉しそうに微笑んだハクは俺の首筋に顔をこすり付けてきた。彼女がよく行う『甘え』だ。
――今度はよく眠れそうだ。
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