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失われし記憶、追憶の日々【ロザリオとバンパイア編】
原作開始【第一巻相当】
IF・U「可能性の未来」
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」
「すみませーん! 大丈夫……ではないですね!」
ばたりと受け身も取れず棒立ちのまま倒れる。
萌香と白雪、そして野球部のユニフォームを着た生徒たちが慌てて駆け寄ってきた。
「貴様ぁ! 兄さんになんてことをしてくれたんだ!」
「そもそも室内で野球をするな」
「いやー、どうもすみません! 巨○の星ごっこに夢中で注意不足でした!」
メンゴメンゴ! と気軽に手を上げる野球部に萌香と白雪が暴れだす。
白雪が放った氷柱を目に炎の闘志を燃やしたバッターが打ち返すのをボーっと眺め、俺の意識は途絶えた。
† † †
――千夜……。
(ん……)
――起きなさい……。
(んん……あぁ……)
――起きなさい、千夜や……。
(誰だ、俺を呼ぶのは……)
沈んでいた意識が浮上する。どうやらあのまま気を失ったようだった。
俺もまだまだだなと思いながら目蓋を開けると――。
「…………誰だ、あんた」
妙に太ったオッサンが「ハァー、ハァー」と鼻息を荒くして姿がまず視界に映った。
驚くことにこのオッサン、起立の姿勢から手首だけをパタパタ動かして浮遊している。魔術らしき形跡もないため本当にこの動作だけで浮かんでいるのだろう。息を切らせているのも納得だ。
「わたしは貴方の退魔のナイフ、夜葬の精です」
「……は?」
夜葬というと、俺が肌身離さず所持しているナイフのことだ。退魔の術式が刻まれており長年愛用してきている。
ハクとは違ったもう一つの相棒ともいえる存在、の精が――。
「このオッサンだと……?」
「オッサンとはなんです失礼な。わたしはこう見えて永遠の六歳、お肌もピッチピッチ」
「はぁ」
袖をまくったのはいいけど、毛深いだけじゃないか。
「ところで、ここはどこだ?」
辺りを見回す。四方には緑豊かな山があり、頭上を見上げれば太陽が燦々と輝いている。
その太陽が妙にこちらを小馬鹿にしたような間抜けな顔をしているが。なぜ、太陽に顔……?
「……ああ、夢か」
それならば目の前の自称夜葬の精やこのカオス空間にも頷ける。ひどく納得した。こんな夢は生まれて初めてだが。
「そう、ここは夢の世界。貴方の素敵なドリームワールド」
「だまらっしゃい」
このオッサン、生理的にイライラする。
「さて千夜や、よくお聞き。貴
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