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その魂に祝福を
魔石の時代
第二章
魔法使い達の狂騒劇3
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事が出来た。取りあえずそれで満足しておくべきだろう。それに、アルフを連れて行った魔導師が戻ってくる前に撤退した方がいい。まぁ、向こうにはアルフと光がいるのだから、万に一つもこちらに向かってくる事はあり得ないだろうが。
「待って!」
『やかましい! 今のオマエじゃあの嬢ちゃんには勝てねえよ』
 目的は済ませたし、約束もちゃんと守った。早く二人と合流しよう。光の妹と相棒のやり取りを聞きながら、私は夜空に舞いあがった。
 ……――
 少し離れた――だが、思ったより近い場所にアルフと光はいた。二人とも当然のように無事だったが……それでもやはりホッとする。
「おかえり、フェイト。ウチの妹はどうした?」
 私に気付いた光が、そう言った。
「その、戦う事になったから少しだけ怪我をしてるかも……」
 約束を破るほどではなかったはずだ――が、今夜の光は、少し様子がおかしい。だから、なおさら恐る恐る告げる。
「まぁ、それくらいは仕方ないな。……それに懲りて手を引いてくれればいいんだが」
 光は、そう言ってため息と苦笑の間のような吐息をこぼす。でも、あの子はきっと手を引かない。光だってそれくらいは分かっているだろう。
(あの子は、多分私と同じ……)
 いや、本当に同じだろうか。私は、本当にあの子と同じだと言えるのか? 離れていたって、光はあの子を守っている。あの子を守るために、光は一人で戦っていた。それなら、私は――…。
「あのね、光……」
 意味の分からない――そのはずの疑問を振り払うように、私は光に訊ねていた。
「ジュエルシードを集め終わったら……また会いに来て良い?」
 何を馬鹿な事を言っているのだろう。ジュエルシードを集め終わったら、すぐにこの世界からいなくなる。それが約束なのに。分かり切った返事を聞くのが怖くて俯く。俯いたまま――それでも、光が近づいてくるのが分かった。
「そうだな……。まぁ、面倒ごとを持ち込まないならな」
 ポン、と優しい何かが頭に触れた。顔を上げると、光が言った。
「面倒ごとが全て終わったら、今度はゆっくり遊びに来るといい。歓迎するよ」
 黒いフードの向こう側で、光は笑っているらしかった。訳も分からず、視界が滲む。
「さぁ、そろそろ部屋に戻って寝よう。それで、起きたら朝風呂でも入って、家に帰ろう。いや、好きなものを作って約束があるから途中で買い物かな。ああ、その前にお土産を買うのが先か」
 軽く抱きよせられ、あやすように背中を叩かれる。何故だろう。その声はとても優しいのに。それでも、何故か涙が止まらかった。




 深夜を回ってどれほど経ったか。静かに、意識が浮かび上がる。
(さて、これは一体どうしたものか……)
 人の気配。それが、眠りが途切れた原因だった。だが、慌てて飛び起きる必要は
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