魔石の時代
第二章
魔法使い達の狂騒劇3
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を主体とする戦闘スタイルだろう。確かに一撃の重さで勝てと言われば難しいかも知れないが――それだけだ。光と違って、この少女は戦い慣れていない。それなら、方法はいくらでもある。
「――ディバイン」
わざと隙を見せる。その隙を、彼女は見逃さなかった。だからこそ、好都合だった。
「バスター!」
その砲撃を、ぎりぎりまで引き付ける。直撃したように見せるためだった。
「アークセイバー」
回避する直前、光刃をその場に置き去りにする。
『Scythe form』
彼女の砲撃は、それに直撃し派手に爆発した。その閃光が、夜の闇を塗りつぶし――私の姿さえも包み隠す。その中でも、あの白い少女が動いていないのは分かった。私を落としたと思っているのだろう。一撃に自信があるのも考え物だ。
「サンダーレイジ!」
上空から雷の雨を降らせる。さすがに防御は間に合わせたようだが――それでも、彼女は地面へと押し下げられていく。このまま終わりにしよう。
『Scythe Slash』
地面に落ちた彼女へと、一気に間合いを詰め――バルディッシュの刃を首筋に突きつける。光との約束がある。間違っても傷つける訳にはいかない。
『だから油断するなっつっただろうが!』
そこで、奇妙な声がした。咄嗟に飛び退き、シールドを張る。と、凄まじい衝撃がシールドを叩いた。どうやら、何か切り札を隠し持っていたらしい。さすがは光の妹という事だろうか。素人だと思って少し侮っていたかもしれない。反省と共に慌てて身構える。
『おっと。嬢ちゃん、これくらいで勘弁してやってくれや』
男とも女ともつかない――その両方が重なり合った声で言ったのは、不気味な本だった。それが、白い少女の胸元から顔らしきものをのぞかせている。一体何なのだろうか。デバイスではないようだが……。
『そう睨むなって。心配しなくても、オレは相棒のようには戦えねえんだ。何せ本だからよ。ヒャハハハハ!』
その不気味な本はそう言って笑った。しかし、相棒とは誰の事なのか?
(あ、待って。あの魔法ってひょっとして……)
先ほどの魔法。あれはひょっとして、光と同じものではないだろうか。つまり、この本が言う相棒とは――
「相棒とは、光の事ですか?」
『そういう事だ。このチビはアイツの可愛い妹でな。ここらで大目に見てやってくれや』
それはもちろんだ。元々彼の妹に危害を加えるつもりはない。……あくまでも、必要な範囲以上には。
「それはかまいません。ですが――」
『分かってるよ。これが望みだろ?』
『Put out』
その本の言葉に応じて、彼女のデバイスがジュエルシードを吐きだした。数は一つだけだが――ここで欲を掻いて、この少女に傷でもつけたら大変だ。
「ジュエルシード、頂いていきます」
一度に二つ手に入れる
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