用心棒‐グレンファイヤー-part1/アルビオンへ
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、彼の前に立ち止まってこう言ってきた。
「サイト君、悪いが決闘はまたの日に持ち越しとさせてくれ。とてもこんな町の状態ではできそうにないからね」
昨日の食事の際に約束した決闘の話だろう。別にサイトは、その機会があろうとなかろうと関係はない…いや、少し残念だった。ワルドに勝って己の強さを証明する機会が無期限延期となった。埋め合わせの機会さえもないが、まあいいだろう。
「別に…いいですけど…」
ぶっきらぼうにサイトは返答した。ルイズはそんな彼の態度に裏立ちを覚える。
「サイト、ワルドに向かって失礼じゃない」
「いいさルイズ。貴族風を吹かすことは、僕は好きじゃないからね」
ワルドはさほど気にしていないと言った様子でルイズに言った。
ある夜のウエストウッド村。
ティファニアはベッドでいつも通り眠りについた…はずだった。この日の彼女は、あまり良い寝つきとは言えなかった。
「…んぅ…!」
布団に身を包めて眠る彼女だが、その表情はどこか苦痛を覚えていた。まるで、重い病にかかっているかのように声を漏らし続けている。
彼女は夢を見ていた。それも、彼女の純粋な心には耐えがたい光景を映し出した悪夢を…。
天にも届きそうなほど何メイルもの高さを誇る、見たこともない様式と作りの建物が立ち並ぶ街だった。それらの建物には、店の看板と思われるものがいくつも付いていたが、それに刻まれた文字はハルケギニアの文字ではなかった。
すると、突如街が、空から飛来する青い光弾によって破壊されていった。
光弾を空から立て続けに受け続けるその街は、大爆発を引き起こしながら火の海に包まれ、崩壊していく。
その青く恐ろしい光を地上の街へ放ち続けていたのは、一体の60メイルもの巨体を誇る悍ましい怪物だ
った。
その姿は…わかりやすくいえば、まるで『悪魔』そのものだった。その悪魔は、街が壊れていく様を楽しんでいるようだった。不気味なことに奴の鳴き声が、ケタケタ笑っているように聞こえるのだ。
―――――燃えろ!人間どもを焼き払え!!ハッハッハッハッハッハッハッハッハ!!!
怪物が再び地上に向けて口から破滅の光を放つ。連発される破壊の光は、次々と建物を破壊し、火の海を拡大させていった。
怪物はふと、地上のとある一点に何かを見つける。まだ10代になったばかりに見受けられる少年だった。街がこのありさまだからどこかへ逃げようとしているのだろうか。ニタリ…とほくそ笑んだその怪物は、その少年にまで光りを解き放った。
その少年に、会ったことはないはずなのに見覚えがあった。
…いや、違う。会ったことがある。それもごく最近に。真っ白な服に身を包んでいたその少年と、自分は会ったことが
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