用心棒‐グレンファイヤー-part1/アルビオンへ
[3/12]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
て――――――」
ひたすら慌てるサイトとラブコールを繰り返すキュルケ。その様子を見たルイズは怒って二人を引き離そうとする。だが、肩をワルドの掴まれ止められてしまう。
「彼が気になるのかい?」
その言葉にルイズは真っ赤になる。
「そそ、そんなわけないわ。あいつはただの使い魔だもの、気にしてなんか…ただ、私はただ使い魔のしつけを」
しかし、一方でサイトはキュルケの両手に触れると、すり抜かせるように彼女の手を解いた。
「………」
「ダーリン?」
いつもならもっと顔を赤くして慌ててくれるサイト。キュルケにはそれがかわいく見えたし、ルイズへのあてつけも兼ねていたから趣味にしておきたいくらい好きだったのだが、今のサイトは様子がおかしかった。誰も見たくないと言った様子だった。
「昨日からあんななんだ。そっとしてあげてくれ」
自分なりにサイトを気遣って、ギーシュがキュルケにそう言った。サイトに最後に会ったのは昨日の姫殿下来訪の時だ。あれからのわずかな期間の間に何があったのだろうか。
「とにかく、僕らは任務のためにアルビオンへ行こう」
「この街のことは!?だって、この街…」
ワルドの言葉に、ルイズは唖然とする。今この街の人たちは昨日の一件でかなり傷ついている。肉親や恋人を、自分たちの家や住み慣れた景色を失って悲しみに明け暮れる人たちが多く見受けられた。この人たちを見ていると、ルイズは放っておくことが酷なことにしか思えなかった。
「残念だが、この街を元通りにするには時間がかかりすぎる。復興費用も決して安くはない。復興のために留まることになれば、長期間滞在は免れないのは目に見えている。目の前の困っているものを見過ごすことは僕も心苦しいが、僕らにはアルビオンへ行かなくてはならない。それを忘れてしまったら任務は成功できなくなってしまう」
「……」
ワルドの言うことは非情ともとれそうで、その実は間違っていなかった。
「なら、君たちは残るかい?」
「いえ、行きます!」
姫様に、自ら任務を引き受けたいと願い出た以上ここで途中下車しては面目立たずだ。ルイズは決してこの任務を下りないと誓った。
「町はこんな状態なのに、船は動くの?」
疑問を抱くルイズはワルドに尋ねる。あれだけの被害が出たと言うのに、港は無事だったというのか。
「昨日、ウルトラマンネクサスとやらが身を挺して爆発から町を守ったおかげで、港は無傷で無事だったとのことだ。アルビオンの王党派領土からまだ復興に必要な資材を取り寄せることができる時期だから、まだ船は動くことができるそうだよ」
「なら、アルビオンには出発することは可能と言うわけですね」
ギーシュがホッとした様子で言った。
「うむ。君たちは荷物の方は大丈夫かな?今日の夜にはアルビオン行の船が出る」
ワルドはサイトに向かって歩き
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ