用心棒‐グレンファイヤー-part1/アルビオンへ
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。使い魔は主人と共にいるべきだろ。当然僕はヴェルダンデと生涯一緒さ!」
「ダメよ。新婚さんの邪魔でしょ。というわけでダーリン、あたしのものになって♪」
「お、俺を物扱いするな」
なんで流れるようにそうなる!抱きついてきたキュルケにサイトは突っ込む。
「あ、そう言えばあのメイドもいたわね」
メイドと聞いて、ギーシュはああ!と思い出して相槌を打つ。
「確か、シエスタだったね。もしや、シエスタとそんな関係だったかい?」
「シエスタとはそーゆー関係じゃないって」
シエスタは確かにいい子だ。体つきも…その…すごい見事なスタイルだったし、美貌も貴族の令嬢にも負けないと、マルトー親父も絶賛している。あのそばかすも愛嬌の証だ。さらに家事も料理も現役メイドなだけあって超得意。間違いなくいいお嫁さんになるタイプだ。…けど、俺はいずれシエスタともお別れする。だから、深い仲になることはできない。
「もう、ダーリンったらあたしをそっちのけでルイズやメイドばっかり!あたしにも構ってよ〜」
「だあああ!そんなにすり寄るなって!」
胸をやたらくっつけて誘惑してくるキュルケに、サイトは赤くなる。
だめだだめだ!クールに、ストイックになるのだ!ルイズだろうが、キュルケだろうが、この世界で一緒に骨をうずめる相手を見つけるなんて許されない!
…とは心の中で言ったのだが、その時の彼は心穏やかではなかった。ワルドとルイズの関係、何でもないふりをしているが、実際サイトはかなり気にしていた。でも、いつかは地球へ帰る身の自分が、下手に情を移すような真似なんてしていいわけがない。
だから…これでいい。俺はただ、この世界の人たちが怪獣や星人の脅威から守るために、地球で暮らしていた頃の知識を用いて、この世界の人たちを守って見せたい。
ゼロとはもうそりが合う気がしない、昨日から彼の声は一言も聞こえていない。ネクサス=シュウも自分にきっと失望したことだろう。
もう『ゼロ』の力は頼らず、『俺自身の力だけ』で。それが、俺の望みなんだと…。
ふと、タバサは空の向こうをじっと眺めていた。サイトにじゃれていたキュルケもそれに気づき、サイトとギーシュもそれに気が付く。雲に囲まれた、空を飛ぶ大陸が見えてきた。
「どうかしたの?」
キュルケが不思議に思って声をかける。
「ああなんだ、アルビオン大陸に近づいてるってだけじゃないか」
ギーシュが大げさだな!と笑い出した。しかし、タバサのポーカーフェイスに、警戒心がにじみ出ていたのをキュルケは見逃さなかった。
「タバサ?」
サイトは、タバサと似た表情を浮かべながら、雲間から見えた浮遊大陸を眺めた。どうしてだろう。あれがルイズたちの言っていたアルビオン大陸のはずなのに、どこかものすごい違和感を覚えていた。自分の心が、叫んでいたのだ。
―――
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