用心棒‐グレンファイヤー-part1/アルビオンへ
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の好意を受け取らない男がいるなんて信じられなかったのかキュルケはかなり動揺した。
「………キュルケの奴、男に冷たくあしらわれて動揺してるぞ」
小声でギーシュはサイトに言った。…が、サイトはあまり興味を示さなかった。やはり昨日の出来事で、今はいつものような反応を示す気になれなかった。その様子に、ギーシュはまた無視されているのかと寂しくなった。代わりに、彼の背中に背負われたデルフが話に付き合ってくれた。
「あのワルドってのはすげー迷惑そうって感じだな。今回みたいに完全に眼中にないってのは、あの赤髪のお嬢ちゃんにしては初めてなんじゃねえの?」
「だったら理由を言ってよ!」
当のキュルケは今だ納得がいかず、ワルドに抗議した。
「理由かい?婚約者が誤解するといけないからさ」
そう言いながらワルドはルイズの肩に手をやった。その様子に、やはり愕然とするキュルケ。その口から素っ頓狂な声が出てしまう。
「婚約者!?あなた婚約者なんていたの!?しかも、こんな…」
こんな、イケメンダンディの子爵が!?キュルケにはにわかに信じられなかった。
「え、えっと、子供の頃に親同士がかってに決めちゃって………」
ルイズは赤面してモジモジする。その様子に面白くないのか、先ほどと一転してツンとするキュルケ。
「もー。そういう大事な事は先に言ってよ。恥かいちゃったじゃない」
ふと、キュルケはもう一度注意深くワルドを観察した。
「うーん………」
「どうしたの?」
タバサが、改めてワルドの顔立ちを見るキュルケに尋ねてみる。
「…最初は気付かなかったけどあの男、背も高いし顔もイケてるけど、中身はダメね。目が冷たくて情熱を知らない氷の目をしてるのよ。つまんない男だわ」
さっきまでワルドに色ボケていた分、ふられた腹いせのように彼のへの評価を逆転させたキュルケ。しかし、タバサはなぜかこの時、彼女の言葉が的を得ているような気がした。
「やっぱり男は熱くないと!ねえダーリン!!」
切り替えが早いのか、さっきまでのキュルケの姿はなく、彼女はターゲットをサイトに変え、彼に抱きついてきた。
「ホントはね、ダーリンが心配だったのよ?」
愛想良くサイトに語りかけるキュルケ。しかしサイトは赤くなってひたすら迷惑そうな顔をするばかりである。
「………嘘つけ」
実際キュルケの言っていることはまるっきりの嘘である。アンリエッタの来訪時にワルドに見惚れていた時からここに来るまでの間、キュルケはサイトのことなど眼中にも脳裏にも示していなかった。実はサイトが気になってましたなんて、今更ながらの都合のいいセリフである。
「あら?もしかしてダーリンやきもち?やだカワイイ!!」
ふてくされているサイトをよそに、彼女はサイトにより強く抱きつく。
「ちょっとキュルケ!毎度毎度人の使い魔になにし
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