プロローグ
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」
俺が消える?意味が分からない。こうして俺は生きている。普段とは変わらず話したり、考えたりできる。それなのに消える…?
その瞬間、目の前に俺が水の中でもがいてる姿が浮かんだ。苦しそうに顔を歪め、助けを求めようとしてる。そうか、俺はあの後死んだのか…。誰にも気付かれずひっそりと…だから俺は消えてもしょうがないのか…。
「だけど、あなたを助けてあげられるわ」
「!?」
絶望に打ちひしがれる俺に彼女の思ってもいない言葉に驚いた。この人はなんて言った?助かる?いや、無理だ。俺はもう死んだ。助かるなんてことはできない。そう思う俺とは裏腹に内心どこかでは彼女の言葉を信じようとしていた。
「願って。さっきあなたが死ぬ前に願った事を…それであなたは救われる。死からも苦しみからも」
どうする?信じて良いのか?
「俺は…」
どうする?
「俺は…!」
俺はその言葉を口にした。音をなくしても、口の動きで何が言いたいか分かるほどにはっきりと。
「生きたい!!」
女の人は確かな笑みを深めると、俺に近づき、何かを握りしめた手で渡してきた。女の人はゆっくりと手を広げると、そこには小さな小瓶があった。
「あなたの願いは叶えたわ。これも一緒に持って行きなさい」
「これは?」
この小瓶は一体どういう物なのか、よく分からない俺は女の人に答えを求めるが、
「困った時に使いなさい」
答えになってない答えが帰ってきた。そこを詳しく言わない辺りが疑わしくて仕方ないが素直に受け取っておくことにした。俺が少し戸惑いながらそれを受け取ると、女の人はこう言い始める。
「さよなら」
瞬間、目の前の風景がパズルのように崩れ始めた。星空、海、森などがどんどん消えていく。次第に視界は黒く染まり、俺の中で意識が途絶されていく。
俺が次に目を覚ましたのは、見覚えのない学校の風景だった。
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