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Fate/EXTRA〜もう一人のアーサー王〜
プロローグ
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ある日、一人の少年が命を落とした。

少年と友人等で川に遊びに来たのだが、勢い良く飛び込んだ直後、足が岩場の隙間に挟まり、抜け出せなくなっていたのだ。

友人に必死に助けを求めようとする少年だが友人はそれに気付かず離れて行ってしまう。他の友人にも助けを呼ぼうとするも、口には大量の水が入り、呼吸もろとも声を殺されてしまう。

手足をバタつかせても、人が気付く程度の音は鳴らず、徐々に力は失われていく。意識が薄れゆく中、少年が最後に見たのは、いつもと変わらない青い空だった。

こうして、一人の少年はごく平凡の毎日の中で誰にも知られる事なくその人生に幕を閉じた。

しかし、少年は今際の際にこう願った。






ーーもっと生きたい。






ーーーーーーーーー

揺られている。

揺られている。

揺られている。

俺の体が確かに揺れている。

水の中にいるのだろうか?

だけど、冷たくない。

それとも宇宙にでもいるのだろうか?

でも浮遊感がない。

一体ここはどこだ?


「聖杯の中」

ふと、誰かの声が耳に入った。聞き覚えのない声だけど女の人だと言うことは分かった。優しくて安らかな気持ちになるような声の主は続けざまにこう言い始める。

「目を開けてみてちょうだい」

俺は疑うことも考えることもせず言われた通り目を開けた。

ザブン…ザブン…

目の前に広がる光景は夜の浜辺だった。なぜだ?さっきの体が揺れる感覚から考えて俺がここに立っているのはおかしいはずだ。夢なのだろうか?とも思ったが足下にぶつかる小さな波の冷たさにこれは現実だと理解した。

「どう?綺麗な場所でしょ?」

「ッ!?」

後ろから声をかけられ、反射的に振り向いた。そこには銀髪の女性が不敵な笑みでこっちを見ていた。外国人なのだろうか?目は充血しているのか分からないくらいに赤いし、肌は血の気が引いたように白い。おまけに民族衣装?と呼べば良いのだろうか…色々と特徴的な格好をしている。

そのせいかは分からないけど、女の人からはとても嫌な感じがした。見た目は優しそうな人なのに内側にはこの世の全ての悪が詰まっているようななんとも言えない雰囲気だ。

「そんなに警戒しなくていいわ。私はあなたの味方」

女の人は俺にそう言った。害意はないのは分かったが、見知らぬ相手をそうそう信用できない。俺の様子を見てすぐに察したのか、女の人は変わらない笑みでこう言った。

「残念ね。まぁ、すぐにお別れするからどちらでも良いかしら」

「お別れ?」

彼女の言葉が気になり、聞き返した。

「じきにここを支える魔力が尽きるわ。そうなればあなたと私も一緒に消えることになる
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