武偵兼皇偵?
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「は〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
重い重い溜息を少年は吐いていた。
それを見た一般人は心配そうにコチラを見詰めてくる。
別に嫌な事があって溜息を付いた訳ではないが自然と溜息を付いてしまう。
「アンタ、溜息一回事に幸せが1つ逃げていくって知ってる?」
俺の溜息をツッコミを入れる幼女、神崎・H・アリアは迷信を信じるタイプらしい。
現に俺の溜息をツッコミ、嘘か本当か真実か浅はかでも無い迷信を言ってくる。
「あのねアリアちゃん。
俺は迷信とか神隠しとか信じないタイプなんですよ」
迷信を信じる位なら自分の人生の安定を信じたい。
武偵は危険な職務、死と隣合わせだ。
何時、死んでもおかしくない。
それは武偵の上、皇偵にも言える事で暗殺やら毒殺やら闇討ちやらで何時、死んでも文句が言えない。
だから俺は寿命で死ぬ事を願う。
「あ、そう。
て、私にちゃんを付けるな!!」
「え、可愛いじゃん」
「か、可愛い!?」
アリアの顔は苺のように真っ赤になり口がパクパクしている。
可愛いと言われたのが嬉しいのか恥ずかしいのか不明だが面白い。
「ああ、可愛いよ。
ア・リ・アちゃん(笑)」
「そ、それ以上、言ったら風穴!!」
真っ赤な顔でコチラを見詰め怒っているのか解らない表情で銃を構える。
仕草がとても可愛らしい。
まるで本音を言えない子猫ちゃんだ。
「はいはい。
アリアちゃんの言う通りに」
パン!!
俺の髪に掠めて弾丸は通り過ぎて行った。
もう少しズレていたら脳天に本当に風穴が出来てたぞ?
「ごめんごめん。
言い過ぎたよ、もう言わないから、ね?」
拳銃を俺に構えたアリアに優しい口調で言う。
銃をコチラに構えられ優しい口調で話すのも複雑な気持ちさせるがアリアは悪気でやっている訳ではない。
そこは理解しているので俺も巫山戯てアリアにちゃんを付けた事を謝罪しよう。
「ほ、本当にもう言わない?」
銃を構えながらもアリアは言う。
この状況だと、うん言わないよ!と言った方が良いのは確実。
だが多分、アリアの言い方は二度と言うなという意味で言っているのだろう。
次に言ったら容赦しないでも言わないと言うなら撃たないよ。
その意味も含まれた言わない宣言
「言わないよ。
俺が死んで幽霊にでもならない限りね」
「意味分かんない!」
プイと振り返りアリアは進む。
俺もその後をゆっくりと追い辺りを見渡す。
「アンタは何で戻って来たの?」
突然の問い掛けだった。
戻て来た気はしないが彼女から見れば俺は血に植えた獣に見えるのだろう。
変な意味の方では無くスリルの無い日常に愛想を尽かした一人の武偵として。
「戻って来たは少し違う。
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