DAO:ゾーネンリヒト・レギオン〜神々の狂宴〜
第五話
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し、私の欲望と、愛と、倦怠の、あらゆるすべてを以てして、
あなたの空虚な罪を埋めよう。
私の罪を―――お兄様に、捧げます
―――《惟神》――――
《Acedia‐Sloth》』
ゆらり、と、影絵のように重圧が揺れる。出現したのは、黒いフードの様なもので顔を隠した、二メートル半はありそうな巨体の、熊型のような悪魔。翼は無いが、代わりに蜘蛛の様な足が四本ある。顔は仮面と包帯で覆われており、見ることはできないが、口はやはり熊の様な形だ。盾のような形の腕と、刀のように研ぎ澄まされた爪は、近接戦闘に置いて大いに役立つだろう。
「吹き消して、バァル=フェゴル!」
「【ゴオォァァァァァッ!!】」
おどろおどろしい咆哮を上げて、バァル=フェゴルと呼ばれた悪魔が突進する。
「ぬぉぉおお!」
その攻撃線上に割って入るのは、エギルを筆頭とした多数の壁プレイヤー達。キリトらダメージディーラーは大きく回避し、エインヘルヤルに迫る。
「【グルゥッ!】」
唸り声を上げてバァル=フェゴルが方向転換、キリト達の戦線に突きこもうと、蜘蛛のような足を屈折させ、まるでばね仕掛けであるかの如く飛び上がる。
だが、この動きはすでに前回見ている。空にはユージーンを始めとするALOプレイヤー達が控えており、ソードスキルを含む全力攻撃をたたき込む。
悪魔は腕の盾状の部分を掲げてその攻撃をはじく。が、一筋の光がその盾を透過した。
「ぬぅぅぅん!」
ユージーンのもつ伝説級武器、《魔剣グラム》の能力、《エセリアルシフト》。かつてキリトを苦しめたその能力は、『一度だけ防御をすり抜ける』というもの。グラムが開発段階において《シェイプシフター》のコードで呼ばれていたゆえんである。
ユージーンの放った重攻撃は、バァル=フェゴルの胸にヒットし、落下を加速させた。ズズン、という轟音を立てて、イグシティ地表に落下する悪魔。すかさずプレイヤー達が群がり、攻撃を加える。
「……自慢のガーディアンさんは使い物にならないみたいだぜ」
無防備なエインヘルヤルの前に立ちはだかるキリトとアスナを始めとする十名ほどのプレイヤー達。ALOでも最高峰の実力をもつメンバーで構成されたエインヘルヤル討伐隊の中で、まさに『トッププレイヤー』と言っても過言ではない存在達だ。
だが、そんな彼らを前にして、エインヘルヤルの表情は《冷淡》のままである。どこかつまらなそうに眉をしかめて、呟くように言う。
「……そうかしら?使い物にならなくなるのは、あなた達の方だと思うけど」
何か来る。直感的にキリトはそう感じた。
前回の戦闘では、彼女が繰り出す重力攻撃の前になすすべもなく敗れ去
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