合宿編
二十二話
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お昼だよー!」
「……もう昼なんだ。遊んでると時間が過ぎるのって早いね」
遠くから呼び掛けるフェイトに気づき時刻を確認すれば、もう昼に差し掛かっていた。
あそこにはルーテシアも居るので近寄りたくないが、腹が減っていては抗う事も出来ぬ。
「仕方ない――――逝くか」
「アレク、明日までの辛抱だよ」
「……だといいけどな」
励ましとも諦めとも取れるエリオの言葉に、アレクはため息を吐きながら頷いた。
「…………で、なしてこーなる?」
「僕に訊かれても……」
アレクの問いに、エリオは分からないと首を振った。
昼間は不気味な程、平穏に過ぎていったが、夜に成った今、ルーテシアの悪巧みが再発していた。
ルーテシアはベッドの上に腰掛け、自分の膝を叩きながらアレクを呼ぶ。
「ほら、おねーさんの所にいらっしゃい」
「……エリオ、お呼びだぞ」
「呼ばれてるのはアレクだよ」
アレクはカルナージに来てから、枕が変わった故、満足に寝れて無い。これについてはアレクも元々承知していたので特に不満を口にする事はなかったが、ヴィヴィオやルーテシアも良い顔はしなかった。ヴィヴィオは招いた側であり支障が有る事を許せない。
だが、枕は備えの物しか無く、無人世界なのですぐさま買いに行けるものではない。今回は仕方ない、ということになったのだが、それで全て流せるほど無責任な者はこの場に居なかった。
なので、次回アレクが来た時、心地良く熟睡出来る為と、ルーテシアは確りと調べることにした。ただ、膝枕という明後日の方法なので、本気なのかどうなのかはアレクに判断できなかった。
それに、わらわらと同世代が集まる所でこんな事はできやしない。どんな羞恥プレイだ。アレクは肘で突き、バトンタッチとエリオを促すが、同じく肘で押し返された。エリオも色々な視線が集中する羞恥プレイの刑は嫌だった。
「ほぅら、恥ずかしがらずにおねーさんの所へいらっしゃ〜い」
「……ぜってー楽しんでやがるだろ?」
「そんな!? 私はアレきゅんが安眠できるようお手伝いがしたいだけなのに! そんなふうに思われてるだなんて……おねーさん悲しいわ。よよよ……」
「嘘泣きすんな」
「バレた?」
「バレバレだ」
てへ、と可愛いらしく舌を出すルーテシアに、アレクはジト目で頷いた。
だが、バレればこの茶番は終わりだろう。そして、後は適当に夜を越せば無問題――――と思うのはアレクだけだった。
「じゃあ、おふざけは終わりにして。……さ、アレきゅん、おいで」
「………………は?」
膝を叩き招くルーテシアに、アレクの目は点に成った。
「おふざけは終わったんじゃねえの?」
「うん、終わったわよ」
「じゃ、なんで?」
「おふざけ無
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