合宿編
二十二話
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よう。アレクは身体捌きから誰かに指導されていると判るし、技の冴えから忠実に教えを守ってきたと伺える。やんちゃが目立つだけで、根は真っ直ぐなのだろう。ストラーダに乗って飛び立つアレクを見て、そう判断を下した。
とは言え、気になるものは気になるので、なのはは再び聞き耳を立てた。
「ってことはアレきゅんに気があるのかなぁ?」
「気になってはいるけど、気があるのとは違うような……」
「じゃあ嫌いなの?」
「そっ、そんな事絶対無いよ!」
「じゃあ好き?」
「えっと、うぅ〜……もう! ルールーの意地悪ー!」
ヴィヴィオが声を荒げるが、ルーテシアはにやにやとするだけであった。
ついでにアインハルトを盗み見ると、若干ながらも心穏やかでは無い様子。祖先の因縁しか口にしていない割には、行き過ぎた反応だ。
なんとなく関係が見えてきたルーテシアは、脹れるヴィヴィオを執成しながら矛を収めた。
更に突くにしてもまだ早く、明日には発ってしまうので後の反応も見れやしない。なので続きはミッドチルダに行った時、アレクも加えた方が面白いだろう。
(でも、発破かけるくらいなら良いよね?)
◇ ◆ ◇
「――――ックショイッ!」
「うわっ!?」
華麗なる着地を決めたアレクにエリオは近寄り、ストラーダを受け取った所で盛大な飛沫を受けた。
だが、度重なる戦闘訓練で培った反射神経で、ガードし事無きを得た。尤も、ガードに使ったストラーダは盛大に汁塗れになっているが。
「風邪ひいたの?」
「いや、なんかこう……渦巻く陰謀を感じて、悪寒が鼻にきたような?」
「それ、風邪なんじゃない?」
「いや、絶対違う。ルルさんあたりから悪しきオーラを感じた」
「それは……どうだろ」
この世界、カルナージは一年中温暖な気候だが、流石に朝はちょっと冷える。外で寝ていたアレクが風邪を引いていても可笑しくないだろう。エリオはテカテカと訴える様に光るストラーダを謝罪するように拭きながら訊くが、アレクは否定し、次いでルーテシアの所為と断言する。
流石にそれは言い過ぎ、とエリオは思うが、否定しきれない部分はあった。今朝の写真への食い付き様は、なかなかどうして執拗だった。
「女ってのはどーしてこう、色々とくっ付けたがるのかねぇ?」
「うーん。……女の子だから、としか言いようが無いね」
色恋沙汰に華を咲かせる事はしょうがない。特に、辺境では娯楽が少ないので、ルーテシアがはっちゃけるのも仕方ない。自然保護隊隊員のエリオも辺境任務時によく訊かれたていた。キャロとはどうなの? とか、特に女性隊員から凄く。辺境での娯楽は専ら会話から始まるので仕方ない部分もあるが、もうちょっと慎ましくならないものか。
「エリオー、アレクー!
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