合宿編
二十二話
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のようなものでしょうか」
どういう仲だろう。実際の所、アインハルトにも分からない。
友人……とは言えないだろう。ライバル……も何か違う気がする。思い付く確かな事は、同じく王の血筋として生まれた事のみ。他には、ティアナに目を付けられた仲でもあるが、それは口にしない。
だが、その答えはルーテシアが望んだものでは無い。
「じゃあ、寄り合って寝てた訳は?」
写真付で再度問うと、アインハルトの頭は沸騰した。
「こ〜んなに仲良さげなんだから、勿論それだけって事は無いでしょう? ほらほら、お姉さんに教えなさいって」
「そ、それは……その、あの……」
アインハルトは落ち着きなく視線をあちらこちらに彷徨わせた。
戦い以外で身を寄せる理由は、世継ぎを作る為の関係――アインハルトの一方的な解釈だが――が真っ先に浮かぶが、口にできない。アインハルトも所構わずオープンな痴女になる気は絶対に無い。一応、リードしてほしいという女の子らしい願望だってある。それに、羞恥心に加え、聞き耳を立てるティアナから又もや胸を抉られるような言霊を放たれるかもしれないのだ。この場で言える筈が無い。
こんな質問を素で答えられるアレクはエリオと共に丘を駆け下り、デバイスであるストラーダをボード代わりにエアサーフィンを楽しんでいて此処に居ない。
どうしよう。困り果てたアインハルトの耳に、助けのような声が聞こえた。
「そう言えば、ヴィヴィオはどうして?」
コロナが同じ事をヴィヴィオに訊いていたので、ルーテシアの意識も其方へ行った。
「なんか、途中から楽しくなってきちゃって」
昨夜、ヴィヴィオはアインハルトと共にアレクを強襲したが、怒りに身を任せたのは最初だけ。すぐに怒りなど消え失せていた。何処か壁のあるアインハルトとアレクが身近に感じられ、とても嬉しかったのだ。
照れ臭そうに話すヴィヴィオに、へぇ、とコロナは相槌を打つ。その傍らで同じく聞き耳を立てていたなのはは、珍しいと内心でごちた。
なのはにとって、ヴィヴィオは誰とでも分け隔て無く接する事が出来る自慢の娘であるが、じゃれ合う相手は本当に仲が良い者だけだ。それも同い年ではなく年上となれば尚更である。
もしかしたらヴィヴィオは既に……。一昨日に話していた事が頭を過ぎった。
昨日、アレクの実力を見た限りでは伸び代は十分にある。ただ、異常な身体作りは気になる上に、ヴィヴィオが危惧した龍らしきものも見ていない。既に大切な人となっているならば、ヴィヴィオはアレクの為に迷わず行動に移し、無茶をも通すだろう。
フェイトはどう思ったか、と目配らせるが、ちょっと危ない遊びをしているエリオとアレクをはらはらしながら見守っていて気づいてない。
……もう暫くの間、見守ってい
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