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ロックマンX〜朱の戦士〜
第五十七話 Laser Lab
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エニグマの強化にあんたの造ったレーザー装置が必要なんだ…じいさん、あんたにこんなこと頼むなんて酷だってのは分かってる。レーザー装置をイレギュラーハンターに渡してくれないか?」

ホタルニクス「君の頼みでもそれは出来ん。わしは彼らのやり方に常々疑問を感じていた。故に協力は出来ない」

ルナ「じいさん…頼むよ。この通りだ」

頭を下げる彼女にホタルニクスは問い掛ける。

ホタルニクス「何故そこまでイレギュラーハンターを助けようとする?武力でイレギュラーを討ち、最早一部の人間至上主義の飼い犬と化した彼らに」

ルナ「確かに今のイレギュラーハンターはそうだな…でも全てのイレギュラーハンターがそうって訳じゃない。エックスやルインのように…力で押さえ付けるようなやり方に疑問を持ってる奴だっている…。俺はそんな奴らがいることに希望を見出だした。あいつらならきっとハンターのやり方を変えてくれるって…」

ホタルニクス「…………」

ルナとホタルニクスの間に長い沈黙が続く。
2人の間の空気はリュートの弦の如くピンと張り詰め…どれだけの時が過ぎただろう。

ホタルニクス「…のう、ルナ……」

ルナ「?」

ホタルニクス「イレギュラーハンターの存在意義とは、何かね?いや…それ以前に、イレギュラー化するという危険性を残したレプリロイドの存在が何故ここまで世界に広がったと思うかね?」

ルナ「え?」

ホタルニクス「私はこれまで、人類の大半はレプリロイドを利用するために生存させてきたのだと思っていた。イレギュラーハンターはそのために同胞を排除する悪質な組織だとそう思ってきた。しかし、どうやらそうではないらしい。少なくとも…彼くらいは…」

ルナ「彼…あんたの友人のDr.ケインか?」

ホタルニクス「うむ…ケイン氏は多分…自分が愛情をこめて造り上げた“子供達”を失敗作のまま終わらせたくはなかったのだろう。それはそうだ…自分の子供達を失敗作扱いされるのは自分が負う痛みより辛い。ケイン氏は子供達を救うために仕方なく、彼はイレギュラーハンターを組織したのだろう。それはレプリロイドにとっては迷惑以外の何ものでもないのかもしれない。だがそうするより他に、レプリロイドが生き残る手段などなかったのかもしれん。しかしそれは親が子に向ける、彼なりの精一杯の愛情だった。それを否定する権利は誰にもないのかもしれん。少なくとも私はそう思う。そう信じたい」

ルナ「じいさん……」

ホタルニクス「わしも少しだけ信じてみようと思う。わしのDNAデータを使いなさい。それを使えばそこの扉を開けることが出来る。その奥にあるレーザー装置…持って行きなさい。」

ルナ「サンキューじいさん…あんたはどうするんだ?」

ホタルニクス「わしは、この研究所を
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