群雄割拠の章
第1話 「貴女はどなたです?」
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べきであろうな。
盾二が託すほどの人物であるならば……
「わかった。会わせて頂こう」
―― 一刀 side ――
「……お主が、北郷一刀殿、か」
「あ、ああ……」
孔明ちゃんに呼び出されたら、目の前に爺さんがいました。
何、この爺さん……えらく偉そうで怖い目で俺を見るんだけど。
「……一刀様。こちらは荊州牧であらせられ、成武侯でもあらせられる劉景升様です」
「劉景升……劉表? あれ、確か荊州刺史じゃなかったっけ……?」
「それは一年以上前の話です。それにお名前でお呼びするのは失礼ですよ」
「ああ、そうだった……北郷一刀、です。初めまして」
俺は、軽く頭を下げて会釈する。
それを見た劉表は、目を細めた。
「か、一刀様!」
孔明ちゃんが慌てたように叫ぶ?
あれ? なんかまずかった?
「よい……孔明殿。北郷……一刀殿、でしたな。盾二のご兄弟とのことじゃが……」
「……はい。不肖の、ですが」
盾二の奴、劉表と仲いいのか?
呼び捨てだし……そういや、三州同盟組んでいるとか言っていたな。
趙雲さんの話では、劉表は盾二に懸想しているとか……まあ、冗談だろうけど。
「ふむ……盾二がこの梁州を去ったことは知っておるの?」
「え?」
去った!?
俺は孔明ちゃんを見る。
話では、盾二は馬正さんの仇を討ちにいったんじゃないのか!?
「……孔明ちゃん、どういうことだ?」
「……………………」
「……なんじゃ、お主。聞いておらぬのか?」
聞いてねぇよ!
盾二がいなくなって一ヶ月、俺は盾二が馬正さんの仇を討ちに旅に出たとしか……
「……孔明殿?」
「……一刀様には、まだお話していません。本来は……桃香様から言われるのが筋だと思いまして」
「ふむ……まあ、そうかもしれんな。すまんの」
「いえ……そろそろ限界でしたし、いい機会でもあるかと思いましたので」
孔明ちゃんと劉表が神妙に頷いている……なんか、すげえ疎外感があるな。
「……一刀様。桃香様がお倒れになったのはご存知ですね?」
「え、あ、ああ……劉備さんの体調が悪いのは聞いている。面会に行っても、関羽さんに今は会えないって言われているけど……」
「そう、ですか……桃香様と盾二様の間に何があったかは、私にもわかりません。ですが、盾二様から私は言付かっています。『一刀様を、自分と思え』と……」
「…………え?」
お、俺が、盾二の代わり!?
「む、無理無理無理! 俺、盾二みたいな指揮官適性ないし! 第三軍の副将ですら、まだ賈?さんに怒鳴られっぱなしなんだぜ!? 梁州の総まとめやっていた盾二の代わりなんてできねえよ!?」
「…
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