第五十六話 Power Plant
[2/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ドパーツより使い勝手がいいかもしれない。
ライト『エイリアとアイリスという娘達にプログラムを解析してもらって開発して欲しい。ルインのオーバードライブのパーツファイルと共に』
ゼロ「…分かりました。パーツファイルを受け取りましょう。それと……」
ライト『?』
ゼロが何かを言いたそうに口をつぐむと、ライト博士は怪訝そうに表情を歪める。
ゼロ「俺から質問させてもらってもよろしいでしょうか…?」
ライト『別に構わないが…どうかしたのかね?』
ゼロ「…思い返せば、あのカウンターハンター事件の直後からでした。あの夢を見るようになったのは…」
ライト『夢?こう言うのは失礼かもしれないが、レプリロイドがそんなものを見るのかね?』
ゼロ「分からない…だが、あの日以来、スリープモードに入ると、毎回見るんです。全く覚えのないデータが呼び起こされ、その中に老人の博士らしき者が現れる。この博士は…あなたが知っている人ですか…?」
ライト『…老人?』
更にライト博士は眉間の皴を増やす。
思い当たる節があったのだろうか。
ゼロ「彼は俺に、何かその…過剰なまでの期待をもって接してくるんです。後は、断片的にしか覚えてないんですが…“最高傑作”“生きがい”“あいつを破壊しろ”などと言ったような…」
まだまだ続くようだったが、その後の話を、ライト博士はまともに聞いてはいなかった。
何故ならライト博士は、彼自身が恐れていたものが今、現実になろうとしている瀬戸際でないかと推測しているからだった。
ライト『(まさか…ワイリーか!!?)』
確信した訳ではなかった。
だが、恐らく間違いないだろう。
旧世紀のマッドサイエンティストが、かつては互いに認め合った友が、今もなお過去を引きずって、着かないはずの決着に終止符を打とうとしているのだ。
彼はそのためなら、例え世界が滅んでも構わない。
ただ自ら創造した“兵器”である息子を対決させ、勝てればいいのだ。
ライト『(ワイリーよ。お前はとうとう自分が心から愛したロボットにまで…自分の息子にこのようなことを託すなど…)』
かつての友の所業に嘆くライト博士だが、そのことを目の前で悩んでいるゼロに話す気はなかった。
真実は、やはり彼の手で見つけさせるべきだろう。
ゼロ「…どうかしましたか?」
ようやくライト博士の動揺に気付いたゼロが声をあげる。
なるべく平常を装いながら、ライト博士は応対した。
ライト『いや、何でもない。とにかく残念ながら、私はその老人やらについては一切情報を持ち合わせていない。すまないな…恐らく、それは何かのエラーデータのはず……忘れた方がいい…。』
ゼロ「そう…ですか…」
ゼロは酷く傷ついた顔をした。自分
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ