第4部
江戸日常編その2
第62話 テンションが上がるとその人の本性が見えたりする
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酔っぱらっているせいか普段よりも何処か肉食系な銀時になっていた。本来の銀時なら恐らくこんな事を言う訳はないだろう。
「全く、冗談じゃないわよ。そんな事になったらこんな男が私のお義父さんになる事になるんでしょ? そんなの絶対に嫌よ」
「あんだぁ、何で此処にてめぇが居るんですかぁ?」
こちらでも毎度の如くと言って良いのだろうか。銀時とフェイトの二人が壮絶な睨み合いを行っていた。二人の目線の間で激しい火花が舞い散っているのが錯覚で見えてしまっている。
「やれやれ、本当この二人は何時でも何処でも喧嘩するねぇ。案外仲良かったりして?」
「「誰がこんな奴と!」」
そんな事では何故か息ぴったりになってしまう二人であった。この二人、果たして仲が良いのか悪いのか?
「なぁなぁ銀ちゃん。この金髪の嬢ちゃんって誰なん?」
「あんだよはやて。随分久しぶりじゃねぇか」
「しょうがないやん。私ってシリアスパートやと殆ど出番なんてないんやし」
久しぶりの登場のせいか何時もよりメタい発言が目立つ八神はやてであった。
「ねぇ、銀時……この子誰?」
「ん、私? 私は八神はやてって言うんや。よろしゅぅにね」
「八神はやて、もしかして……貴方も私達側の人なの?」
「う〜ん、よぉ分からんけどそうみたいやでぇ」
突然の乱入でやってきたはやてとフェイトの二人がお互いを見合う。同じ世界の人間同士であれば気が合うだろう。
「ところで貴方、此処江戸に住んでるって事は、貴方なのはと知り合いなの?」
「知り合いも何も、なのはちゃんとは親友同士やでぇ」
「親友………」
はやてのその言葉にフェイトは俯き、黙り込んだ。いったいどうしたのか? 心配になりはやてがその顔を覗き込もうとしたはやてだったが、徐々にフェイトの顔が持ち上がったと同時に変貌したその顔が見て取れた。
「勝った、私の勝ちね」
「へ? どゆことやぁ」
「貴方がなのはの親友ならば、私はなのはの嫁よ!」
「んなななぁぁ!」
フェイトの衝撃発言に心底驚くはやて。何の意味で驚いたかはこの際伏せて置く事にしよう。今はそれよりもこちらで新たに生まれた修羅場を見なければならないのだから。
「ど、どゆ事や! 何でお宅がなのはちゃんの嫁なんや?」
「当然よ。私はなのはと愛を誓い合った仲なんだから」
「嘘こけ」
無論、嘘である。なのはがフェイトの嫁である事も、なのはとフェイトが互いに愛を誓い合った事も、全てフェイトのでっちあげた妄想話でしかないのだ。
当のなのは本人にそんな自覚も記憶もメモリーもありはしないのだ。
「な、なぁんや。嘘やったんかぁ、安心したわぁ」
「残念ね、今は嘘でも何時かはそうなる運命にあるのよ」
「そうはさせん! な
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