第二十八話 主将の背中
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ベンチから、不満たっぷりに権城が紗理奈を見た。紗理奈は、そんな視線を寄せ付けないかのように一切ベンチに目をやる事なく、背筋を伸ばした自然体で構えていた。
(温情かよ?まぁ、気持ちは分からんでもないけど……)
カァーーン!
権城が内心でブツブツ言ってるその時、紗理奈が初球を捉えた。しなやかな体をフルに使って、振り上げたその打球は高々と舞い上がり、あっという間にフェンスの向こうまで飛んでいった。
「マジか……」
土壇場に飛び出した逆転ツーランに、マウンド上の織田は呆然と立ち尽くす。紗理奈は涼しい顔を崩す事なく、淡々とダイヤモンドを回った。
権城は、ため息をついた。
(……確かに、代打は必要ねぇや。代打を出す前に自分で決められちゃあな。)
権城は苦笑いした。
ベンチは土壇場に出た一発に大きく湧き上がっていた。
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