第91話 少年たちの前に壁が現れるようです
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「わ、分かりません!一切の兆候なく、一瞬であの超戦術広域陣レベルの魔法陣が…!!」
「くっ、スヴァンフヴィート!艦首神罰砲の準備は!?」
唸り声と翼を広げただけで地震と台風の様な風が吹き荒れ、鬼神兵もがたたらを踏み、人々は逃げる事さえ
許されない。精鋭である各国警備員はそれでも気を持ち直し迎撃を優先して動き出す。
しかしそれに先んじて樹龍が飛び立ち、召喚された龍の元へ行き、降りて首を垂れた。
「樹龍が首を垂れた……!?皇女殿下、まさかあれは…!」
「ああ、妾の角も反応しておる……。龍族の全ての頂点に立つ者、この世界を創った者が初めに創った
とされる究極の生命体。ヘラス帝国唯一の神獣"龍王"。じゃが、それを召喚するじゃと?」
警備隊と戦艦が続々と飛び立ち、人々が漸く逃げようとし出した時、スヴァンフヴィートのレーダーに
龍王を超える魔力反応が出現し、龍王もが翼をたたみ膝を折った。
その存在の正体に気付いたのは、式典会場ではヘラス帝国皇女と、アリアドネ―総長のみ。
「この気配……!?ありえない……!!」
【―――いいや、有り得るともお嬢ちゃん。20年で随分偉くなったものだ。未熟者は撤回しよう。】
龍王の牙の半分ほども無い小さな影が五つ、その王冠の上に降り立つ。
そして魔法世界最強の魔獣を従え、ゆっくりと式典会場へ・・・いや、表舞台へと姿を現した。
「……全魔法世界住人よ、御機嫌よう!さぁ―――俺の名前を言ってみろ!!」
「し………」
『『『白帝様ぁぁぁあああああああああああああああああああああああ!!』』』
「忘れていないようで何より!さぁ……祭りを始めよう!!」
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