第91話 少年たちの前に壁が現れるようです
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部倉庫と思しき場所が開き、光る巨人が二体降り立つ。
ズンッ ズズン!
「わわ…!鬼神兵!!でかっ!?」
「あ、あれが鬼神兵…!?(・・・超さんが使っていたアレの初期型でしょうか?)」
「良いのでしょうか、あんなものを持ち出して……。」
全高30mはあろうかと言う淡く光る巨人、大戦期に活躍した帝国の兵器"鬼神兵"。
しかしその装備は打って変わって式典用の杖。あくまで儀仗兵だとでも言いたいのだろう。
その上で更に騒ぎが広がった、式典会場を挟んで反対側。
「ちょ……あっちも見て!帝国のインペリアルシップだよ!しかも後ろのアレは…!!」
「て、帝都守護聖獣の一体、古龍"樹龍"!!……壮観ですね。」
イルカを思わせるフォルムの黒鉄色の巨大戦艦、その後ろに控える戦艦の二倍はあろうかと言う六枚翼の龍。
皮膚は岩石を思わせるがしなやかであり、その力強さは"鬼神兵"すら遠く霞む存在感。
エヴァンジェリンや精霊種と同じ魔法世界最上の種族だが、守護聖獣四体は魔法世界創生中期から存在する、
文字通り別格の『生命』である。
「戦争でも始める気じゃないよねー……。」
「バーカ、戦争なんて怒らないにゃ。」
「殿方がどっちのアレが大きいか自慢し合ってるだけの事よ。」
「アレ?アレって――「静かになさい!!」ハイィーー!」
上級生二人組がお下品な事を言い出した所で騎士団員のお姉さんからお叱りが入り、姿勢を正して
警備に戻った。それから間もなくして式典が始まり、長々しい挨拶と小難しい決まり文句が語られ、
最後にヘラス・メガロ双方の代表者が握手をしようと立ち上がり―――
ヴォオ―――ン
「お、おいアレ!!」
「なんだあの魔法陣?式典用の花火か?」
重々しく、しかし歓声が溢れる会場に響き渡る程の音を立てて、会場から50kmの空中に魔法陣が展開される。
待機しているスヴァンフヴィートと樹龍間近まで魔法陣が広がり、徐々に召喚された何かが這い出る。
鱗に覆われた長大な二本の脚と尾、煮え滾る溶岩が溢れ出る体躯、山をも一凪ぎ出来よう腕、
魔法陣の半分以上を覆う四枚の翼。そして鬼神兵の持つ杖よりも長い牙が剣山の様に生え、見る者全てに
恐怖を叩き込むような四つの眼。その全てが黒いが、唯一その頭に映える角は王冠の印象を与える黄金。
【GUuuuuuuuuuuUUUuuuuuuuuuuuuuuuuUUuuuuuuuuuuLhaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!!】
バォウ!!
「あっ、なっ………け、警備班!何をしていた!?」
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