第91話 少年たちの前に壁が現れるようです
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された刀剣類が飛び出る。
最早原型を留めなくなったそれを見て松永は歓喜の声を上げるけれど、安心は出来ない。
そのまま構えた状態でいると黒い炎に包まれて消えて行き・・・血の一遍も無くなった所で術式兵装を解く。
「か、った……のか。……ぐ?」
ドクン
安心した瞬間、体の中から"闇"が溢れて来る。ここまで来る為に『雷の暴風』一発、戦いで更に一発と
中級魔法、更に戦術魔法を装填・・・今の僕の限界を少し超えてしまった。
抑え込むのも、少し難し―――
バンッ!
「いやぁ少年!いつの間にそこまで上達したのかね?祭りの時とは桁が違うではないか。」
「えっ!?あ、ありがとうございます。」
「ええ、素直に驚きました。あの伯爵級をいとも簡単に……。」
僕の中の闇が溢れそうになった時、松永に背中を叩かれて引き戻される。
助かった・・・やっぱり、まだまだ修業不足だ。もっと心を強く持たないと呑まれてしまう。
それにしてもこの二人は何をしに来たんだろう?まさか祭りを楽しみに来た訳じゃないだろうし・・・。
「おぅ、終わったかの?いやぁー少年、君強いのう!人間がオジキを圧倒するなどとは思わなんだ!」
バンバン!
「いたっ、いたっ!?こ、子供の、魔族?」
疑問に思っていると、今度は魔族の子供?が急に現れて僕の背中を力強く叩いて来た。
僕よりも背は小さく、褐色肌に金色のセミロング。頭には後ろに向かって竜族の角が生えているから
竜人族かと思ったけれど、悪魔の羽が四枚も生えているし影が陽炎みたいに揺らいでいる。
「来ましたか、ゼルク。その様子だと彼の力を吸収出来たようですね。」
「おぉ、8割方も吸収出来たぞ!人間界の東方の術と言うのは不可思議じゃのう。」
「えーと……桜咲さんのお知り合いですか?」
「と言っても先程からの、ですが。あの伯爵の偉そうな態度が気に食わなくて下剋上したかったと。」
何と言うか・・・問題ばっかり舞い込んで来ますね。
これ以上妙な人員が増えると困るし、目的も果たしたようですし――
「して、ヘラスとか言う国はどこかの?朕の血筋の者が国を治めていると聞いたから、見てみたくてのう。」
「こ、皇族への謁見は無理じゃないでしょうか?特に悪魔は……。」
「そうでもないだろう?彼の姫君も式典には参加する。彼女の能力であれば多少の警戒を掻い潜って
会う事も出来ると思うがね?我輩達もオスティアに用がある、一緒にどうかね?」
「お主らの様な怪しげな集団に混じれば行動もしやすいか……うむ、良かろう!ついて行くぞ!」
余計な事を言うな松永久秀ぇぇぇええええ!!こ、これでまた変な人が僕達のパーティに
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