暁 〜小説投稿サイト〜
白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第21話 『あの時の公園で。「結局……計佑くんは、私のことキライなの……?」』
[1/24]
[8]
前話
[1]
次
最後
[2]
次話
<21話>
計佑たちが帰宅した後、雪姫は自己嫌悪で酷く落ち込んでいた。
──……いったい何をやってるの……私……
計佑の頭を抱き込んで、自分の胸に埋めるだなんて。それも、まくらやアリスが見てる前で。
──……完全に、痴女じゃないの……
ズブズブと落ち込んで、机に突っ伏してしまう。
まくらのフォローで、とりあえず場は収まったようだったけれど、
本当に『病人を抱きかかえてあげただけ』という範疇に収まる振る舞いだったかは、甚だ怪しかった。
でなければ、あのまくらが睨みつけてきたりするとは思えない。
──……まあ……それでも、あの計佑くんならきっと納得してしまうんだろうけど……
あの初心な少年の場合、多分まくらから与えられた理屈に飛びついて納得してしまう筈だ。
……一応は、幸いなことに。
しかし、ああいう鈍すぎる相手だからこそ、自分があんな愚挙に及ぶ羽目にもなった訳で。
そう考えていくと、ため息が出てしまう。
今日はアリスまで泣かせてしまった。
素直なコだから、目を合わせて
「計佑くんが貧血で倒れてきたから、心配になって抱きとめてあげてただけよ」
と雪姫からもそう口にしたら、信じてくれた。……罪悪感で、ちょっと胸が痛かったけれど。
まくらにも後で電話で詫びたが、
『いえ、私も似たような事やっちゃった経験あって……雪姫先輩の気持ち分かるし、責める資格とかなかったんですよね』
と苦笑した感じの声で慰めてまでくれた。本当にいい子だと思う。
「……はぁ……」
また溜息がもれた。時刻を確認する。
いつもならアリスが一緒に寝ようと、部屋を訪れてくる時間を過ぎていた。
『今日はちょっと疲れちゃったし、一人にさせてくれる?』
そう伝えておいたので、アリスがこちらに来ることはなかった。
そして、また物思いに耽る。
なんであんな恥ずかしい真似をする羽目になったのか……そこに戻って。だんだん、少年への怒りが湧いてきた。
──……なんであんなコトにって……そもそも、計佑くんが悪いんじゃない……!!
上げて落として上げて落として。
どれだけこちらを振り回せば気が済むのだろうか。
いくらなんでも悪質すぎると思う、今日のは。
──そりゃあ、わかっててやってるワケじゃないんだろうけど……
というか、分かっていてやっているならドSとかいうレベルではない。
──それにしたってあんまりだよ……!! 絶対普通じゃないよ……!!
好きだと言ってきている相手を前にして、普通あんな風に他のコといちゃつく姿を見せつけたりはしない筈だ。
普通の男の子とは違ったからこそ、こんなに好きになってしまったのだけれど。
愛しの少年は、悪い意味でも
[8]
前話
[1]
次
最後
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ