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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第21話 『あの時の公園で。「結局……計佑くんは、私のことキライなの……?」』
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などと呑気に頷いている少年を睨んでいたまくらが、
「……ホント、この鈍感王は……」
そう呟いて、もう一度溜息をついてから表情を改めると、計佑に尋ねてきた。
「ねえ、その雪姫先輩なんだけどちょっと遅いよね? どうかしたのかな?」
「……あー……先輩は……今日は来ないのかもな……?」
「えっ何? なんか聞いてるの? 今日は私、勉強見てもらえるって話になってたんだけど……」
その言葉で、まくらの前を見た。
確かに教科書やらノートが広げられていて──
「……数学か。確かにオレには教えられんよな……それで白井先輩か」
成績はいい方の計佑だったが、苦手な科目となると、一応は平均をクリアといったところで、偉そうに人に教えられるレベルではなかった。
……まあそれでも、まくらよりは出来る方なのだけれど。
ともあれ、屋上の一件も思い出して苦い顔を浮かべてしまう計佑に、
「……まさか計佑。また何か雪姫先輩にやっちゃったんじゃないでしょうね?」
「またって何だよ、またって……」
計佑の表情で何やら読んできたらしいまくらのセリフだったが、
──さすがに今回は自分に悪いところはなかった……ハズだ。ハズだと思う。……だといいな……
だんだん自信がなくなってきた。
「やっぱり何かやったんでしょ……」
変化していく計佑の表情から、またまた察したらしいまくらが問い詰めてくるが、
「いや、オレにもよくわかんないんだよ……ただ──」
──ガラッ
弁解を始めようとしたところで、ドアが開いた。
「あっ雪姫先輩!! こんにちは〜」
「こんにちは、まくらちゃん。遅くなっちゃってごめんね?」
──あ、よかった……先輩、ちゃんと来てくれたんだな……
怒って、今日はもう来てくれないのではと危惧していたので、雪姫の登場にホッとする。
謝罪するなら、やはりちゃんと顔を合わせてやりたかった。
──……けど、まくらがいるのにさっきの話もマズイんだよな……? 人には知られたくないんだろうし。
そんな風に考えている間に、雪姫は計佑の横を通り過ぎて、まくらの隣──計佑の正面──に座った。
「ちょっと計佑。雪姫先輩に挨拶くらいしなよ……何ぼけっとしてるの?」
「あっああ、そうだよな……すいません、先輩」
まくらに窘められて、頭を下げた。『実はついさっき会っていた』事は、とりあえず秘密なのだろうから。
雪姫もニッコリと笑って、言葉を返してくれる。
「ううん、いいよ別に……"目覚くん"」
──ピシリと、空気が凍った。
「……ゆ、雪姫先輩……? あ……あれ?」
凍りついてしまっている計佑に代わって、まくらが雪姫に疑問符をとばした。
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