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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第21話 『あの時の公園で。「結局……計佑くんは、私のことキライなの……?」』
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、付き合い方を考えよう……そう思ったのだった。
 少しうつむいて、そんな事を言い出した計佑に、

「……ううん、いいよ。計佑くんは、計佑くんの思うままにアリスと接してあげて」

 雪姫はそう言ってきた。

「え……いいんですか?」

 軽く驚いて、雪姫の顔に視線を戻したが、雪姫は優しい微笑を浮かべていた。

「うん……優しさは、やっぱり計佑くんの一番の長所だと思うの。
それを私のワガママで削いじゃうのはちょっと違うと思うし。
……アリスだって可哀想だもの、あんなに計佑くんに懐いてるのに」
「……先輩……」

 自分だったら、中二の男が雪姫に纏わりついていたりしたら、許せるかどうか自信はない。

──なのに、そんな風に言える先輩って、なんだかんだ言ってもやっぱり大人で、優しい人だよな……

 そんな感慨に浸って、ぼんやりと雪姫に魅入っていた計佑だったが、雪姫のふわりとした笑みが、突然ニマっとしたものに変わった。
 ギクリとして、陶然とした心地から一気に現実へと引き戻される。そして、お約束の──

「まあ、アリスとイチャイチャしたらその分、私も同じように可愛がるってことで許してあげる♪」

 計佑には不可能クラスのムチャぶりがやってくる。

「なっなっ、なんですかそれっ!? むっ無理!! 絶対ムリですよそんなのっ」

 アリスにしているような気安さで、雪姫にも触れろというのか。──そんなの自分には絶対ムリだ。
 けれどバタつきながら拒否する計佑に、雪姫もムッと唇を尖らせる。

「むっ、『絶対』ってなによ〜……別にアリス以上に構ってとは言ってないよ?
私は  "アリスと違って特別" ってさっき言ってくれたばかりじゃない。
だったら、アリスばっかり可愛がるのはおかしいでしょって言ってるだけだよ?」

 少年の答えは半ば予想していたのだろうけれど、"絶対" という副詞はどうやら許せなかったらしい雪姫。
頬をふくらませてそんな風に言ってきたが、流石にこれは頷けない。

「いやだからっ、さっき言ったのは『特別だからこそ先輩には普通に出来ない』ってコトだったでしょ!? 」
「え〜でも……昨日は、私の頭撫でてくれたりしたじゃない」
「あっあれは……! なんかちょっと感極まってついやっちゃっただけで……いつもああなんて絶対無理ですって!」

─────────────────────────────────

 赤くなって必死に手をバタつかせる少年の姿は可愛かったが、同時にもどかしくもあった。

「……なんかもー……三歩進んで二歩下がるを完全に体現してるような人だよねキミは……何で、こんな難儀なヒトを好きになったかなあ……」

 雪姫はついに、頭を抱えてしまった。
自分のこと
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