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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第21話 『あの時の公園で。「結局……計佑くんは、私のことキライなの……?」』
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他の誰でもない、自分『だけ』が計佑の『特別』。
昨日は結局翻されてしまった言葉だけど、今のはもう、間違いない。

 そっぽを向いたまま顔を真っ赤に染めた少女は、唇をむにゅむにゅとして喜びを噛み締めた。
もう振り返って、計佑に抱きついてしまいたい気分だった。

……けれど、まだ我慢する。
満足いく言葉は確かに聞けたが、少女は欲が出てきてしまったのだった。

「……本当かなぁ……昨日も私を特別扱いしたくないって、アリスにもプレゼントあげるって約束してたよね……?」
「そっ!? ……それはっ、まくらのやつが冷やかしてくるから……つい恥ずかしくなって……その。
だからあれはただの照れ隠しだし、アリスのはただのおまけみたいなもんで……」
「私の気持ちを知ってるクセに、私の目の前でアリスとイチャついてた」
「イチャ……!? いやっ、だからアリスは子供でしょう……!! 抱っこくらい、そんな特別な……」
「じゃあアリスを褒めたりしてたのは? カワイイとか、髪キレイとか、私もそんなコト言われてみたいのに……」
「え゛えっ!? いやっ、子供を褒めるのと女のヒトを褒めるのは、まるで意味が違うしっ!!」
「抱っこしてあげて、お腹さわって、額を覗いて、髪を梳いてあげたりまでしてた……
計佑くんと2つしか歳違わないコなのに。私と計佑くんの差と同じだよね?」
「うっ!? いやっ、それはそうかもですが……いやいやっ、でもアリスはやっぱり完全に子供でしょう!?」
「そんなことないよっ。私のコトも、抱っこしたり髪梳いてくれたりしないと不公平だもんっ」
「いやっ、だからそれは……!! って、ん? ……先輩……?」

 計佑の声が、不審そうなものに変わって。
 ギクリとする。しまった。声色を変えておくのを、いつの間にか忘れてしまっていた。
今からでも、悲しそうな表情を取り繕うくらいは出来るのだけれど──

「……今、明らかにギクッて感じの震え方しませんでしたか、先輩……」

──ちょっともう、誤魔化すのは無理そうだった。

「先輩……何をしたかったのかは、流石のオレでもなくとなく分かりましたよ?
だけど、人を騙して──っていうのは、それこそあんまり好きになれないんですけど」

 手の甲に重ねられていた計佑の手が退けられた。

「やっ!? ダメっ!!」

 その言葉と、離れていく手に、慌てて振り返る。去ろうとする手を追いかけて、しっかり握り直した。
けれどそこで──

「……やっぱりそうだったんですね」

 計佑がジト目で、こちらを見つめてきていた。
少年からそんな目で見られるのは初めてで、色々な意味でドキリとする少女。けれど──

「……なっ、なによぅ!! こっ、これはだって……そうっ、そもそも計佑くんが
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