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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第21話 『あの時の公園で。「結局……計佑くんは、私のことキライなの……?」』
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いうより、また怒ってると考えているのかもしれない。
それだと、計佑はヘタレたまま行動できない筈だ。
 その辺は少年の事を良く理解している少女、ならばと口を開いた。……弱々しい声色を装って。

「……それで結局……計佑くんは私のことキライなの……? それとも……」
「なっ!? だからそれは違いますってば……!!」

 椅子についていた自分の左手に、計佑の手が重ねられるのを感じた。
──昨夜に続いて、また計佑のほうから触れてきてくれた……!!

「好きに決まってるじゃないですか……!!」

──ふあああああ!! 来た来たきたーーー!!!!

 目論見通り……いや、期待以上のリアクションに心が一瞬で沸騰した。
 また言ってもらえた『好き』の二文字。さっきは、泣きじゃくるばかりでちゃんと味わえなかった一言。
この少年の事だから、恋愛的な意味で言っていないのは分かっている。
 それでも、大好きなヒトからの『好き』という響きに、心が震えない訳がなくて。
計佑の手が重ねられた左手と、計佑の言葉が届いた耳の二箇所から、熱が一気に全身へ広がっていく気がした。
 浮き立つ気分で、体もふるっと震えて。
それを勘違いしたのか計佑の手に力が入り、雪姫の手をきゅっと握りしめてきた。
ますます体が震えだしそうで、必死でそれを堪えた。
──せっかくの至福の時間なのだ、簡単に終わらせるわけにはいかない……!!

「……信じられない。アリスにはあんなに優しいのに、私には意地悪ばっかりだもん……」
「意地悪なんてしてるつもりは……!!
……そりゃオレはバカだから、気付かずに何かやっちゃってるかもしれないけど。
でもアリスは子供じゃないですか。先輩への態度と違うのは当たり前ですよ……先輩は特別なんだし」

──特別……!! 特別って何っ!?

 今、計佑がどんな顔をしているのか見たくて堪らない。けれど今の自分はもうニヤけきっている。
逸る心を、ぐっとおさえて。しっかり間をとってから、問いかける。

「……特別って……どう特別なの? ……虐めやすいとか、そういうコト?」
「まさか!! そんなんじゃなくて……子供だったら、遠慮とかしないでいられるけど……
先輩だとドキドキするし、嫌われたくないって思うから緊張もしちゃうし……
オレが今意識してる女のヒトは先輩だけだから、そういう意味で特別なんです」

──うっうわぁ〜〜〜!!! うわあああああ!!!! や、やっぱり泣いてるフリ続けていてよかったぁ……っ!!!!

 嬉しい言葉をスルスルと紡いでくれる少年に、また体が震えた。
 告白……まではいかないかもしれない。
けれど、この初心すぎる少年からの言葉と思えば、やはりその意味は格別だった。

 アリスでも
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