暁 〜小説投稿サイト〜
白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第21話 『あの時の公園で。「結局……計佑くんは、私のことキライなの……?」』
[16/24]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
いうより、また怒ってると考えているのかもしれない。
それだと、計佑はヘタレたまま行動できない筈だ。
その辺は少年の事を良く理解している少女、ならばと口を開いた。……弱々しい声色を装って。
「……それで結局……計佑くんは私のことキライなの……? それとも……」
「なっ!? だからそれは違いますってば……!!」
椅子についていた自分の左手に、計佑の手が重ねられるのを感じた。
──昨夜に続いて、また計佑のほうから触れてきてくれた……!!
「好きに決まってるじゃないですか……!!」
──ふあああああ!! 来た来たきたーーー!!!!
目論見通り……いや、期待以上のリアクションに心が一瞬で沸騰した。
また言ってもらえた『好き』の二文字。さっきは、泣きじゃくるばかりでちゃんと味わえなかった一言。
この少年の事だから、恋愛的な意味で言っていないのは分かっている。
それでも、大好きなヒトからの『好き』という響きに、心が震えない訳がなくて。
計佑の手が重ねられた左手と、計佑の言葉が届いた耳の二箇所から、熱が一気に全身へ広がっていく気がした。
浮き立つ気分で、体もふるっと震えて。
それを勘違いしたのか計佑の手に力が入り、雪姫の手をきゅっと握りしめてきた。
ますます体が震えだしそうで、必死でそれを堪えた。
──せっかくの至福の時間なのだ、簡単に終わらせるわけにはいかない……!!
「……信じられない。アリスにはあんなに優しいのに、私には意地悪ばっかりだもん……」
「意地悪なんてしてるつもりは……!!
……そりゃオレはバカだから、気付かずに何かやっちゃってるかもしれないけど。
でもアリスは子供じゃないですか。先輩への態度と違うのは当たり前ですよ……先輩は特別なんだし」
──特別……!! 特別って何っ!?
今、計佑がどんな顔をしているのか見たくて堪らない。けれど今の自分はもうニヤけきっている。
逸る心を、ぐっとおさえて。しっかり間をとってから、問いかける。
「……特別って……どう特別なの? ……虐めやすいとか、そういうコト?」
「まさか!! そんなんじゃなくて……子供だったら、遠慮とかしないでいられるけど……
先輩だとドキドキするし、嫌われたくないって思うから緊張もしちゃうし……
オレが今意識してる女のヒトは先輩だけだから、そういう意味で特別なんです」
──うっうわぁ〜〜〜!!! うわあああああ!!!! や、やっぱり泣いてるフリ続けていてよかったぁ……っ!!!!
嬉しい言葉をスルスルと紡いでくれる少年に、また体が震えた。
告白……まではいかないかもしれない。
けれど、この初心すぎる少年からの言葉と思えば、やはりその意味は格別だった。
アリスでも
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ