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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第21話 『あの時の公園で。「結局……計佑くんは、私のことキライなの……?」』
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計佑が白井家まで自転車を走らせて。
到着した頃には、流石に雪姫も一応落ち着いてはいたが、
「今日はお父さんいるから……」という事で、場所を移すことになり。
今、二人は近くの公園──以前、病院から逃げ出した時にも来た──まで来ていた。
あの時と同じベンチに腰掛けて、そして雪姫がそっぽを向いたままなのもあの時と同じで。
──まいったな……なんて言えばいいんだろう……
先輩が泣いている──その事にいてもたってもいられず駆けつけたのだけれど、
会えた時には雪姫はもう一応落ち着いていて。それなら後は誤解を解くだけなのだけれど──
『あのメール、実は……』なんて話は、なんだかややこしくなりそうな気もする。
けれどあのメールを自分が出した事にしたままだと、どう言おうとも許されないような気もしてきて。
──昼間の一件と合わせて考えたら、確かにヒドいなんてもんじゃないよな……怒られるの当たり前だよ……
そんな風に途方にくれていた計佑に、雪姫が──やっぱりそっぽを向いたままだったけれど──先に口を開いた。
まだ元気のない声だったけれど、
「……それで結局……計佑くんは私のことキライなの……? それとも……」
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駆けつけてくれた計佑を、いつかの公園まで連れてきた雪姫。
口もろくに開かず、視線すら合わせずここまで来たのだが……実はもう、それほど怒っても悲しんでもいなかった。
電話を切る直前の計佑の言葉──『好きに決まってるでしょう!!』──怒鳴られた瞬間には、意味も考えずに泣き喚いてしまったが、計佑の到着を待つ間に落ち着いた雪姫は、その言葉を思い出して嬉しくなっていたのだった。
そして今、泣いている自分のために駆けつけてまでくれて、これも当然、雪姫の心を浮き足立たせていて。
勿論、あんなタチの悪い冗談を完全に許せた訳ではなかったけれど、しかし今の状況は──チャンスだとも思ったのだった。
男たちから助けだしてもらった日。島で弱気を見せてしまった時。
計佑は、自分が弱っている時には気負いなく接してきてくれる。
そしてそんな時の計佑は、とっても優しくて……
だから、悲しんだままのふりをして、その状態を引き出してしてやろうと考えたのだ。
騙すことに全く罪悪感がない訳でもなかったが、
──あんな酷い冗談を言ってきた計佑くんがそもそも悪いんだもん!!──
そう言い訳して、自分を納得させて。
そうして、ろくに口もきかず俯いたままここまで来たのだが、予想に反して、計佑はなかなか行動を起こしてくれなかった。
──……もしかして、まだ私が怒ってると思ってるから……?
今の雪姫が、悲しんでると
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