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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第20話 『白井家での一幕。「そう、この顔だよ……私で一杯になっている時の、計佑くんだぁ……」』
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かっただろう。
けれど、無言で恥じらう雪姫の姿まで見せつけられて、流石に理解せざるを得なかった。
──ええ!? いっいやでも……っ。
そう、この少年にそんな事は無理だった。
天然状態でならともかく、意図的に憧れの先輩を賛美する事など。
──だっ第一、まくらだっているのに……っ!!
家族の前で、そういう事をするのにも強い抵抗があった。
下手に褒めたところで、どうせまたまくらにからかいのネタにされてしまう。そう考えてしまった。
……だから、結局ヘタレ少年は誤魔化す方向へと逃げ出した。
「せっ先輩!! この部屋随分クマが多いですよね? やっぱクマが好きなんですか?
今度のプレゼントは、もっと大きいクマのぬいぐるみとかどうですかっ?」
矢継ぎ早に質問を飛ばすと、雪姫が涙の滲んだ顔を上げた。
「……プレゼント……」
雪姫の呟き。しかし大きく反応したのは、まくらの方だった。
「えっなになに? 計佑、雪姫先輩にプレゼントなんてあげるのっ?
うわー、ついに計佑も目覚めたのねっ? 女の子にプレゼントなんて『初めて』じゃないのっ!?」
ちらちらと雪姫に目配せしながら、『初めて』の部分にアクセントを強調するまくら。
けれどそれに、計佑は大いに慌てた。
「なっ何いってんだよ!? お前にだって誕生日とかにやってきたろっ」
「バッカ、家族と異性は全然別でしょ!?
うーんそっかそっかー、計佑から『初めての』女のコへのプレゼントね〜」
まくらのセリフは、またしても "初めて" の部分が強かった。
──くっ……こっ、こいつまた……!!
まくらが必死に雪姫へのフォローをしてくれているというのに、少年は全く理解していなかった。
……どころか、恩知らずな事に腹をたてていた。
──変なコト言うんじゃねーよっ……意識しちゃうだろーがっ!!
まくらに指摘されたせいで、気づいてしまった。
壊れたおもちゃがプレゼントなんて申し訳ない……そんな気持ちから言い出した事だったのに、
何か随分と特別な意味を持ってしまいそうな行為だと気付かされてしまった。
──まくらのやつっ……またオレを弄ろうってんだな。よりにもよって先輩の前でっ……!!
雪姫がいない所でならともかく、こんな時にからかわれてしまったと勘違いした少年は、そんな風に腹を立ててしまったのだった。
「計佑くん……」
まだ瞳をうるませたままだった雪姫が、うっとりとこちらを見つめてくる。
今度は計佑の方が、恥ずかしさで爆発しそうになる番だった。
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──『初めて』……私が計佑くんから貰える『初めて』のプレゼントは、計
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