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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第20話 『白井家での一幕。「そう、この顔だよ……私で一杯になっている時の、計佑くんだぁ……」』
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聞かせて、深呼吸をして。アルバムめくりを再開した。
けれど、アリス達の会話はまだまだ止まらない。
「おいっけーすけ!! 今はお姉ちゃんの写真を見る時だろっ。私の髪をいじるのはやめろっ」
「あ、悪い……どうしてもついな。お前の髪に指通すと気持ちよくて……やっぱお前の髪キレーだよな」
──〜〜〜〜〜っっっ!!!!
『バンっ!!』
雪姫が、乱暴にアルバムを閉じた。
その音で、計佑とアリスが、ビクリと雪姫を見やってくる。まくらは、ハラハラとした表情だ。
雪姫がジロリと少年を睨みつけると、計佑は更に怯んだ。
──……なんなのその差は〜〜〜っっっ!!!!
ついさっき、ようやく計佑から、ちゃんと触れてきてくれた。
頭を撫でられて、嬉しさで立っていられないくらいだった。
──やっと私はそこまできたのに!! なんでアリスにはそんなトコまでいっちゃってるのっ!?
ついさっき仲良くなったばかりの筈だ。
なのに、ささやかな進歩に浮ついていた自分をあざ笑うかのようないちゃつきぶりで。
──私はやっと撫でてもらうトコまで来たばかりなのに!! アリスには髪梳いて!!! 褒め倒してっ!!!!
そんな睦み合いを披露されて、もう限界だった。
「……んっんんっ!!」
わざとらしく空咳をついて、まとめていた髪をほどいて。
これ見よがしに指を通すと、ファサッと払って見せた。
TVCMの時に、その手の指導なら受けている。仕草の美しさなら一応自信があった。
「ゆ、雪姫先輩……」
まくらの視線が痛い。まくらには意図を見ぬかれてしまってるだろう。
恥ずかしさはあったが、今はそれよりも大事な事があった。計佑に視線を戻す。
「……???」
少年は、不思議そうな顔をするだけだった。
──っっっ……!!! 計佑くんのバカ〜〜〜〜っっ!!!!
恥を忍んでやったのに、完全スルーされてしまった。顔に血が上る。
「バカけーすけっ!! お姉ちゃんも褒めてもらいたいんだよっ!!」
──っっっ!!?? やっやめて!!! もう許してよ〜〜〜っっっ!!!
よりにもよって、対抗しようとした相手に見ぬかれて、それどころか解説までされて。いよいよ耳まで熱くなった。
……もう恥ずかしさのあまり、逃げ出したい気持ちで一杯になった。
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「──お姉ちゃんも褒めてもらいたいんだよっ!!」
アリスから計佑への叱責に、雪姫の頭がガクンと沈んだ。
そして耳まで赤くして、全身をプルプルとさせ始める。
──……えっ!? まっマジでそういうコトなの!?
アリスの言葉だけなら、朴念仁の少年は多分納得しな
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