暁 〜小説投稿サイト〜
白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第20話 『白井家での一幕。「そう、この顔だよ……私で一杯になっている時の、計佑くんだぁ……」』
[4/19]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
物が買えなかったので、確かに代金で弁償という形になっていた。
(ちなみに雪姫からは、お返しにと、やはりクマちゃんストラップ(実は貴重な限定品)を送られていた。
流石に計佑が使えるような品ではなかったけれど、それは大事にとってある)
「……あのクマちゃんは、計佑くんからの初めてのプレゼントで、
計佑くんの命を守ってくれた特別なコなんだもん……
だから、計佑くんの写真と一緒に、大事にしてるんだよ……?」
さらに雪姫が距離を詰めてきて。もう殆ど触れ合わんばかりになった。顔を上げた雪姫は真っ赤で、瞳も潤んでいた。
……けれど今度は、計佑も下がらなかった。
──先輩……壊れたおもちゃなのに、そんな風に思ってくれてまで……!!
計佑の胸に、熱い感動が満ちていた。
雪姫と自分なんかでは、到底つり合いなんてとれていない、
やはり雪姫が自分を好きだなんて不自然な事なんだ……そんな思いが常にあった。
だから、雪姫から自分への『好き』という気持ち自体は疑わないまでも、想いの強さまでは信じきれていない部分があった。
けれど今の話で、雪姫がどれほど自分の事を好きでいてくれたのか……漸く理解できた気がした。
雪姫への愛しさが溢れてきて──この瞬間の少年からは、少女への遠慮が消えた。
少年の腕がすっと持ち上って……
─────────────────────────────────
──……え……?
最初、雪姫には状況がわからなかった。
自分に気圧されて、耳まで赤くしていた筈の少年が、急に余裕をとりもどしたように見えた。
そしてすぐに計佑の両腕が持ち上がると、そのまま雪姫の両肩に乗せられてきた。
──……へ……?
間抜けな疑問符が浮かんだ。
ぽかんとする雪姫に、計佑が口を開く。
「先輩。今度、もっとちゃんとしたプレゼント送ります。
壊れたおもちゃしかあげられないほど、情けない男ではいたくないから」
計佑が笑顔を見せた。
初めては雨の日の入学式で、それからは自分が弱ってる時にしか見せてくれない、自然体の笑顔。
でもそれを、何故か今、計佑が雪姫へと向けていた。
──ううん、なんだか今までより、もっと優しい顔をしてる気がする……
そう思った瞬間、バクン!! と心臓が大きく高鳴った。
そして、少年が今、非常時でもないのに自分に触れてきていることに気付いた。そんな事は初めての筈で、
──けっ、計佑くんが……自分から私に……!? なっなんで!? 別に今、特別なコトとかないよね!?
自分の話で、てっきりいつものように真っ赤になって、慌てふためいてくれるだろうとばかり思っていたのに。
まさかの事態に理解が追いつかない間に、また計佑の右手が
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ