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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第19話 『中等部からの新入部員。「いやっ!?こっ来ないで計佑くんっ!」』
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 計佑の質問に、エリスの身体がピクリとした。

「別に全然『悪いコト』じゃないだろ? そんなの。いいじゃないかよ、子供のまま最強になってやればさ」
「子供のままで……?」

 ぽかんとした顔でエリスが振り返ってきた。

「お前みたいにカワイイ小学生、オレ初めて見たぞ?」

 そう言って笑いかけると、エリスはボッ!! と顔を赤くした。

「……なっ、ななっ……!! なに言い出すのよっ!! ……あっ!? そうやってお姉ちゃんもダマしたのねっ!!?」
「だからお姉ちゃんって誰だよ……」

 そう尋ねると、エリスはぐっと言葉を飲んでから「……ヒミツ」とだけ答えてきた。

「やーれやれ。黒井はホントに意地っ張りだなぁ……」
「……アリス」
「あ?」
「ホントはアタシ、綿貫アリスって名前なんだ」
「はぁ? なんで偽名なんか──」
「それもまだヒミツ」

 またシャットアウトだった。

「……はいはい、りょーかい。綿貫ね」
「だからアリスって呼びなさいよ!! ミョージ、あんま好きじゃないのっ」

 苗字で呼ぶと、またキャンキャンかみついてきた。

──……まあ、小学生にしか見えないコだしいいか。

 そう自分を納得させて、

「はいはい、あらためて宜しくな、アリス」

 言って、アリスの髪をかき混ぜてやった。

「そっそれ、やめろよ……」

 口ではそう言うものの、跳ね除けようとはしないアリス。
 まくら相手だと大抵止められてしまうし、
そもそもまくらでは味わえない長髪の感覚という事もあって、計佑は調子に乗ってくるくると続けた。
やがて──

「計佑ーっ、エリスちゃーんっ!!」

 まくらが駆けつけてきた。

「おお、流石運動部。あんま時間かかんなかったな」

 計佑が立ち上がって。
まくらの声が聞こえるやいなや、また俯いてしまっていたアリスも、抱えて立ち上がらせてやる。

 「ホレ」

 ポン、と背中を押してやる。
 アリスは一瞬、不安げに計佑の顔を見上げてきたが、まくらのほうに顔を戻すと一歩前に出た。
立ち尽くしたのは僅かの間で。

「その……ごめんなさいっ!! でした……」
「……え……っと……」

 ガバっと頭を下げてきたアリスに、まくらは戸惑いの視線を計佑に向けてくる。
計佑はニッと笑ってみせて、

「おいおい、子供が頭さげてきてんだから、度量のあるオトナのやることは1つだろ?」

 その言葉でまくらも事態を理解したのか、アリスの肩に手を掛けると頭を上げさせた。

「いいよ、エリスちゃん。もう許したからね。罰は計佑がさっき与えてくれたしね」
「……あ、ありがとう……あ、そうだ、オマエもアタシのことはアリスって呼んで
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