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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第19話 『中等部からの新入部員。「いやっ!?こっ来ないで計佑くんっ!」』
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両親の事は好きか?」
「……今は、あんまスキじゃない……アタシのコト、親戚の家に放り出したから……」
「……そっか……」
エリスも複雑な環境にいるようだった。
……恵まれた自分が偉そうに説教するのも気が引けたが、この子のためにもここはあえて。
「……じゃあ、お姉ちゃんはどうだ? お前時々、姉ちゃんの事を口にしてたけど」
「ホントのお姉ちゃんじゃない……従姉妹だけど。そのお姉ちゃんは大好き」
「よし、じゃあ……お前のコトを、誰かがこんな風に言って責めたとする。
『生意気で口の悪いコだ。きっと、お姉ちゃんとやらもお前みたいな悪い人間なんだろう』
……どんな気がする?」
エリスが勢い良く振り返ってきて、
「そんなの!! なんでアタシのことでお姉ちゃんが悪くなるんだよ!? お姉ちゃんはすごくいい人で──」
「お前がさっきまくらに言ったのは、似たような事じゃなかったか?」
「……あ……」
「ちなみにまくらは、両親とも大好きだからな」
言い添えると、エリスはカクンと俯いてしまった。
「……あとな。まくらは父親がすごく忙しい人であまり構ってもらってないし、母親は子供の頃に亡くなってる」
「えっ……!!」
ペラペラと話すことではないとも思ったが、きっちり教えておかないと、また同じような事が起こるかもしれない。
──まくらに、親の話は本当にタブーなのだ。
「ア、アタシ……知らなかったんだ、そんなの……!!」
「わかってるよ。だからデコピン一発で許してやろうとしたんじゃないか。アイツはやさしーからな、オレが代理で弾いてやったんだよ」
慌てるエリスの頭を撫でてやる。
「今だって、お前のコト探しまわってくれてたんだぞ?
あんな酷いコト言ったお前のためにな……どーだ、これでもまだまくらが嫌いか?」
「…………」
「……やれやれ。お前も大概意地っ張りだなぁ……」
無言で、顔を前に戻してしまうエリスに、計佑はため息をつく。
「……だって……アタシ、ヒドいコト言っちゃった……もう許してもらうなんて……」
「できるよ。だから言ってるだろ? コドモなんだから、頭さげりゃ大概は許されるんだよ」
その言葉に、エリスはふるふると頭を振った。
「……子供扱いはキライだ……」
計佑にも、この見た目は色々とコンプレックスだろうことは察せられた。
けれど、敢えて言ってやる。
「バカ言ってんなよ。子供のほうが得するコトだって多いんだぞ?
今回のコトだって、もしお前が大人だったらきっと許されないんだからな」
うりうりと髪をかきまわしてやって。
「……お前、自分の外見が子供っぽいの気になるんだろうけど。でも子供っぽいのって『悪いコト』か?」
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