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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第19話 『中等部からの新入部員。「いやっ!?こっ来ないで計佑くんっ!」』
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走った。
「……? なんだこれ……?」
足が勝手に動く……というと少し違うが、なんだか止まっていられない。
軽く引っ張られるような感じで、どんどん身体が動いていく。
──……なんか……この先に黒井がいる……?
頭の中に、なんだかくすぐったさを感じる。
いつかこれと似たような感覚を味わったような気もしたが、深くは考えなかった。
今はただ、直感からやがて確信に変わっていったその感覚のままに、走り出していた。
─────────────────────────────────
──いた……!!
しばらく走って。やがてたどり着いた川辺にエリスはいた。
座り込んで、足をプラプラさせながら川を眺めている。
──やれやれ……
超常的なカンで見つけたにも関わらず、計佑はそれを不思議に思わなかった。
それよりも、どう声をかけたものかと頭を悩ませる。
普通に声をかけても、また逃げ出すだろう。
まあこの位置関係なら、もう取り逃がすことはないだろうけれど、余計な手間をかけたくない。
「…………」
そっと近づいた。
けれど無言で捕まえてしまうと、
いつぞやのように──雪姫の脇をつかんでしまった時の──失敗しかねないと考えて、一応声をかける。
「捕まえたぞ」
ビクっと振り返ってくる瞬間に、背中から覆いかぶさるようにしてエリスを胸に抱え込んだ。
腰も下ろして、太ももの間にエリスの腰を挟んで。これで完全に捕まえた。
エリスがジタバタと暴れて、
「なっなんだよ!! 放せよヘンタイ!! 大声出すぞっ」
「いいぜ別に。人目が集まって恥ずかしいのは、多分お前のほうだからな」
子供には、とことん強気の計佑だった。
それに、この少女が実はかなり恥ずかしがり屋なのも読めていたので、
変に人目を集めたくないだろうとタカをくくってもいた。
「……っ……」
案の定、大声など出さないエリス。
一応自信はあったが、読みが当たった事に、内心ホッとため息をつく。
そしてまくら宛てに、エリス発見のメールを打ちはじめた。
「……なにしにきたんだよ」
エリスが唇を尖らせる。
「お前を捕まえにきたんだよ。子供を夜道に放り出すワケにいかないだろ」
「子供扱いすんなっ!!」
またエリスが暴れようとするが、その頭に顎を乗せて。
「子供だよ。でなきゃ、あんなヒドい事言ったら、普通許してもらえないからな」
その言葉にエリスの身体がピクリと震えて。少しまごつく様子を見せたが、やがて口を開いた。
「……アタシ……そんなにヒドいコト言ったのか……?」
「……そーだなぁ……」
どう説明してやるか、しばし考えて。
「……お前、
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