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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第16話 『温泉へ。まくらが語る呪いの真相。「目覚くんは無理だと思いますよ」』
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てた。
……私にそんな資格がないのは重々承知、なんだけどね」
「えーと……オレが何をしたっていうの?」

 何の話をしているのかさっぱり分からなかったので、素直に尋ねた。そんな計佑に、硝子は表情を消すと。

「白井先輩と朝帰り」
「ぶほっ!?」

 予想外の内容に、吹き出してしまった。

「えっ!?  なっ何それ!? 別に変なコトは何もしてないって散々言ったよね!?
嵐のせいで昨日は帰れなくて!! それだけの話って!!」

 三人には何度も説明した話だ。

「昔来たコトのあるキャンプ場のコトを思い出して。それで白井先輩に案内してもらったんだったよね?」
「そうそう!!」

 雪姫と、そんな風に口裏を合わせていた。
──まくらが来たことがあると自信ありげに言ってたぐらいだ、 自分が覚えていないだけで多分本当に来たことはあったのだろうし──

「でも何で、二人だけで行く必要があったの?」
「そっ……それは!! 使えるボートは二人乗りが限度で!! だから──」
「みんなに内緒で、こそこそと行く必要があった?」

──……ぐっ……!!

 その点は、どうにも言い訳が思いつかない部分だった。
 茂武市はデートだろうとでも曲解してかあまりツッコんでは来なかったし、
カリナは細かいことは気にしない性分なので追求されなかったのだが……硝子までは騙されてくれていなかった。

──何なんだよ……何で先輩が絡んできた時だけ、こんなに意地悪くなるだ須々野さんは……?

 雪姫の添い寝を見られた次の朝も、硝子の態度はおかしかった。
 普段は大人しい、気の優しい筈の少女が見せるトゲのある態度に、計佑はもう何も言えなくなってしまった。

「……ごめんなさい、目覚くん。私が口出しするようなコトじゃないのに、責めるようなコト言って……」

 黙りこんでしまった計佑を申し訳なく思ったのか、硝子が謝ってきた。

「……いや、いいんだけどさ……
なんか白井先輩のコトにだけ、須々野さん厳しくなってない……? それはちょっと気になるんだけど……」

 問うと、硝子は一瞬言葉に詰まった。

「っ……それは。……白井先輩は私の憧れの人だから……先輩を誑かそうとしてる目覚くんが許せなくて」
「たぶっ!? なっなんだよそれっ!? べっ別にオレ、そんなつもりで先輩とは……!!」

 まさかの言いがかりに、慌てるしかない計佑。
そんな計佑を胡乱げな目つきで見つめる硝子が、さらに畳み掛けてくる。

「本当かなぁ……どうせ無害そうな優しい顔して近づいていったんでしょう……?」

──それはまさに正解だったのだが、計佑にそんな自覚はない。

「なにそれ!?  オレ、そんな人間じゃないよ!?」


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